近江八幡市は、厚生労働省が18年(平成30年)の西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震災害を踏まえ、全国の上水道施設等を対象に行なった重要度の高い水道施設の災害対応状況についての緊急点検で、浸水災害により大規模な断水が生じる恐れがあり、緊急に対策が必要な施設(緊急対策施設)に抽出された牧浄水場(牧町)の「浸水災害対策工事」を実施する。
8月27日に一般競争入札を執行し、「第205号牧浄水場浸水災害対策実施設計業務」を落札した環境設計梶i大津市)に業務を委託。今年度内に実施設計をまとめ、20年度予算に工事費を計上し工事を行なう予定。
琵琶湖岸に立地する牧浄水場は、70年(昭和45年)からの1次拡張事業で建設。岸から約600b沖合で湖水をポンプでくみ上げ、場内の着水井へ送り込み、沈殿池で汚れなどを除去。その後急速ろ過池で砂の層を通して不純物などをろ過し消毒した後、浄水池に貯える。
79年(昭和54年)に2系統の内の1系統を、97年(平成9年)に残りの1系統を現在の急速ろ過方式に変更。また、建設後40年以上を経過して老朽化が進んでいた1系の浄水施設について11年(平成22年度)から2ヵ年をかけて大規模改修を行い、新たに敷地内に配水池を設置し、大規模な災害時に給水拠点として活用できるよう整備している。
今回の浸水災害対策では、浄水場の運転に必要な設備類を設置している施設について、扉や窓等からの浸水を防止するための止水堰・止水扉の設置や窓の閉塞・移設等の改造工事や設備類の移設等をイメージ。必要となる調査及び留意事項を抽出し、浸水災害対策実施設計を作成する。
提供:滋賀産業新聞