京都府は、城陽市富野の木津川運動公園(北側区域)について、再整備に向け都市計画を見直す。Park−PFIなど民間のノウハウを活用した公民連携による再整備を検討している。
同公園周辺では令和5年度に新名神高速道路の供用開始やアウトレットモールの開設が予定され、また都市公園法の改正など公園を取り巻く状況も変化していることから、再整備に向けた検討に入る。10月20日に計画見直しに係る懇話会の初会合を開き、再整備の方向性案、今後のスケジュール案を示した。
方向性案は「府民の子育てと健康長寿に寄与する公園」「新名神高速道路のスマートインターチェンジや国際最大規模のアウトレットモールに近接する地理的優位性を、賑わいや地域振興に活かした公園」「山砂利採取跡地の緑の機能回復と緑を生かした公園」「民間企業との連携により、整備・運営の効率化、質の高いサービスの提供、ニーズの変化に柔軟に対応できる公園」。
スケジュール案によると、懇話会と並行して、サウンディング型市場調査を行う(調査準備を経て、11月にも募集・説明会を行い、対話の実施・とりまとめを経て、令和2年3月頃に結果発表)。
懇話会は、11月18日開催の第2回懇話会でサウンディングに向けた基本方針策定、サウンディング公表資料検討を行い、令和2年3月頃開催の第3回懇話会でサウンディング結果を報告、ゾーニング検討、基本計画骨子案作成を行う。令和2年5月頃開催の第4回懇話会で基本計画中間案を示す。その後、基本計画中間案のパブリックコメントを行い、令和2年9月頃開催の第5回懇話会で基本計画をとりまとめる。懇話会は、委員長を元日本造園学会会長の増田昇大阪府立大学名誉教授が務める。
基本計画策定後は、令和2年度下半期(令和2年10月〜令和3年3月)に都市計画変更などの手続きを進め、令和3年度早々に都市計画決定を行い、その後、民間事業者の公募、設計・工事を行う。
対象の木津川運動公園(北側区域)は、平地約13・1f、森林約2・5f、未買収地約3・5fの約19・1f。このうち約15・5fの用地を取得済。
敷地内の高低差が大きく、南側と北側では最大20m程度の高低差がある。山砂利採取後に埋戻しを行っているため、地盤の強度が弱く、重量構造物などを建設することができない。
基本造成計画案によると、調整池@及びA、南北を縦断する主要園路を想定する。
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京都府山城北土木事務所は6月、木津川運動公園(北側区域)整備方針検討業務を指名競争で入札し、エイト日本技術開発が落札した。工期は令和2年3月25日まで。主な業務内容は、北側区域の担うべき機能や施設導入等の基本的な考え方を示す基本方針の設定のほか、導入すべき機能の規模、ゾーニングなどを検討。対象地は丘陵地であるため、施設整備では大規模な造成が必要となることから、造成計画を検討し、公園整備に伴う流出抑制対策を検討。概算工事費の算出、基本計画図の作成も行う。業務委託箇所は城陽市富野の約16・1f。