富山市と北陸SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)のメンバーである教員、構造物補修メーカーらが連携し、道路橋の最適な補修工法や材料を選定していく富山市発信の取り組み「補修オリンピック」の19年度会議が16日、富山市役所で開かれた。
富山市から植野芳彦建設技術統括監、橋りょう保全対策課の樫尾正樹課長代理、杉谷真司係長と宇津徳浩主査、北陸SIPからは、金沢工業大学の宮里心一教授、田中泰司准教授、花岡大伸講師、富山県立大学の伊藤始教授、長岡高専の井林康教授、石川高専の津田誠准教授、福井大学の鈴木啓悟准教授が出席。
この日はまず、昨年度に試験施工を行った市内5カ所の現地を視察。市役所に戻り、試験施工に協力した5社(ダイフレックス、大同塗料、デーロス・ジャパン、住友大阪セメント、サンコーテクノ)の報告書を基に作業内容を確認した。
今年度の試験施工について、植野統括監が「継続して実施したい。工種などは絞らず、幅広く公募してほしい」との考えを示し、継続実施が決まった。教員から「協力企業が橋を選びやすいよう、点検結果や現況写真などを提示しては」との提案があり、市は「位置情報を除き、出来るだけ公開したい」とした。
試験施工を検証する屋内実験の実施、試験施工の対象橋であることが判別できるよう、銘板を設置することも決めた。
試験施工の協力企業は今後、関連する会議やイベントなどを通じて、広く募集していく。
補修オリンピックは、道路橋における補修工法の有効性を評価するため、富山市が実橋(フィールド)を提供。試験施工を踏まえ、北陸地方の市町村に適した工法を構築し、発信しようと昨年度から始動したもの。