畑建設(敦賀市三島)の田辺聖二氏が19年度優秀施工者国土交通大臣顕彰の建設マスター(土工)に輝いた。建設産業の第一線で「ものづくり」に誇りと意欲を持ち、その社会的評価の向上を図ることを目的に、特に優秀な技能・技術を持ち後進の指導・育成等に多大な貢献をした建設技能者として顕彰された。
今回の栄誉に「身が引き締まる思い。これからも現場の仕事に精進したい」と率直な感想を述べる。入社して17年近くが経過し、これまで現場一筋で仕事効率化へ作業の段取りを常に考えて取り組んできた。数ある現場の中でも福井県敦賀土木事務所が総合評価落札方式(地域防災力維持型)を適用し、18年度に発注した一般県道竹波立石繩間線、敦賀市浦底「原子力災害制圧道路等整備工事(交付金)敦賀工区30―1」が印象に残っているそうで「道路改良がメインの工事だったが、魚道を整備する際に現場に山積していた重たくて大きい転石の除去や運搬が大変だった」とわずか5人で作業にあたった苦悩の日々を懐かしむ。
建設産業に従事する若者に向けて「仕事に対する情熱と真剣に取り組む姿勢を養ってほしい。仕事に対する真剣さこそが自らの成長につながる」と熱いメッセージを送る。一方で、喫緊の課題とされる若者の建設業離れに危機感を募らせ、「このままの状況が続けば建設産業はますます衰退していく。近年頻発する台風や大雨など災害に強い道路、また河川等を守り安全安心な暮らしを確保するため地域の担い手として、定年まで作業にしっかり従事したい」と気を引き締める。
たなべ・せいじ
61歳 敦賀市在住。今後の抱負に「決して過信せず仕事に集中し、事故のないように取り組みたい」と話す。