県土整備部が上半期(4月―9月期)に発注した工事や委託の執行率は60・4%にとどまっていることが、16日までに同部のまとめで分かった。過去10年で最低値。いまだ昨年の災害復旧工事に人手が取られ、技術者不足による入札不調が原因とみられる。
同部の執行率は、事務費と用地補償費を除いた工事費、委託費の進捗状況をもとに集計した。知事選を終えた肉付け予算「6月補正」後の事業費は、工事費280億6500万円、委託費58億4300万円。このうち上半期末までに工事169億円(358件=60%)、委託35億6700万円(384件=61%)をそれぞれ発注した。
例年の同期執行率は70%台後半で推移してきたが、60%台は12年度の68・3%、13年度の66・6%以来6年ぶり。
今回の集計に災害復旧費は入っていないものの、今年度各県土では平成最大の被害となった「平成30年災」(主に7月豪雨と台風24号)の手当てを優先。一方、受注者側は昨年度から災害復旧現場を抱えており、通常工事にまでなかなか手が出せない状況が続いた。
同部技術企画課では「八頭と中部など市町の土木、農林災害も重なっており、現場の人材不足が顕著になっている」と分析。その上で、下半期に向けては「人手の不足もやや落ち着いてきた感がある」と話し、通常の発注ペースに戻るのではとみている。
同部は今後、さらなる発注の平準化にあたって、「11月補正」にゼロ県債を積極的に要求する方針。
各県土の上半期執行率は次の通り。( )カッコ内は前年同期
▽鳥取県土=72・4%(78・1%)▽八頭県土=50・2%(76・7%)▽中部県土=46・9%(72・4%)▽米子県土=61・4%(76・3%)▽日野県土=58・9%(83・3%)
日刊建設工業新聞