国土交通省関東地方整備局は、横浜国道事務所管内の国道1号矢沢高架橋耐震補強工事を対象に、設計段階から施工者が技術協力するECI方式を管内で初めて適用する。最適な仕様やその前提条件の確定が困難なため、技術提案により選定された優先交渉権者が設計者に協力する「技術協力・施工タイプ」で実施する。きょう10月17日に設計業務の委託に向けて、「R1矢沢高架橋他耐震補強設計業務」の簡易公募型競争入札の手続き開始を公示する。技術協力業務の発注手続きは別途、10月中にも開始する。
矢沢高架橋は橋長207bで、単純合成鈑桁橋(2連)と3径間連続非合成鈑桁橋、単純合成鈑桁橋(3連)で構成。幅員は上りが8・35b、下りが8・55b。
既に落橋防止装置を設置するなど、一定の耐震対策を施しているが、道路橋示方書の改定を受けてさらなる補強をすることに決めた。これまでの補強内容を生かした工法を検討する必要がある他、高架橋の下部空間が駐輪場として使われているなど、特殊な現場の条件が重なっているため、ECI方式により設計段階から施工者のノウハウを生かすことにした。
設計業務の参加資格は「土木関係建設コンサルタント業務」。参加表明書の提出期限は11月1日。入札は12月11日。
同業務では矢沢高架橋の他、1号花水橋(下り)の耐震補強設計も予定しているが、同橋はECI方式の対象外。設計業務の履行期間は2020年5月下旬まで。
設計業務の中で最適な施工手法を選定する。技術協力を行った優先交渉権者との協議が成立すれば、工事契約を締結する。着工は20年度を予定。
直轄工事では、近畿地整が2号淀川大橋の床版取替、九州地整が16年熊本地震からの復旧に向けた二重峠トンネル工事などでECI方式を採用。日本建設業連合会や建設コンサルタンツ協会と関東地整の意見交換でも、ECI方式の積極的な活用を求める声が上がっていた。
提供:建通新聞社