横浜市は週休2日制モデル工事の件数拡大に向け、2020年度から工期の5割以上の週で週休2日を確保できれば段階的に諸経費(共通仮設費、現場管理費)を増額補正するとともに、労務費も増額補正することを考えている。工事の発注や施工時期の平準化を推進するため「平準化率」(年度と4〜6月の平均工事量の比率)を導入し、この率を21年度に金額ベースで9割まで引き上げる目標を設定した。10月10日の市会決算第2特別委員会で財政局の木勇一公共施設・事業調整室長が明らかにした。
市の週休2日制確保モデル工事は17年度に発注者指定型でスタートし、18年度には受注者希望型も採用。18年度の実績は発注者指定型が36件、受注者希望型が4件で、発注者指定型のうち一部施工中を除く13件と受注者希望型の全件が工期の8割以上の週で週休2日を確保した。
19年度は発注者指定型を60件程度予定。受注者希望型を含め、工期の8割以上の週で週休2日を確保すれば工事成績評定の加点と諸経費の増額補正、5割以上であれば工事成績評点の加点を措置している。
今後の進め方を問われた木室長は「20年度以降はさらなる件数の拡大に向けて、5割以上の週で週休2日を確保した工事でも段階的に共通仮設費と現場管理費の増額補正を行うとともに、労務費等の増額補正についても実施を検討している」と答えた。受注者希望型で三つの増額補正パターン(4週8休以上、4週7休以上8休未満、4週6休以上7休未満)を定めるなどした国の事例を参考に、市での対応を練っているという。
一方、工事の平準化は▽早期の発注▽設計や積算のスケジュール調整による発注時期の分散▽年度またぎ工事の発注―を展開中。このうち年度またぎ工事を巡っては、19年度に債務負担行為の対象事業を前年度の8事業から20事業、限度額を約46億円から約207億円にそれぞれ増やしている。
さらなる平準化の取り組みを求められた木室長は「19年度より国と同様の平準化率を導入することにした」と説明しつつ、「18年度に金額ベースで0・79(約8割)だった平準化率の値を、21年度には0・9(9割)まで上げることを目標に取り組みを進める」と答弁した。
―書類簡素化、20年度運用へ手引書―
さらに木室長は、工事現場の書類作成作業が受注者側の長時間労働の要因になっているとの指摘を受けて、「18年度は各局が提出を求めている工事書類の全容を把握するため、作成書類一覧表を作成するとともに、関係局が連携して簡素化の方向性を検討した。19年度は書類の削減・作成方法や提出方法等の簡素化について検討を進め、建設業団体から意見をいただいた」と取り組み状況を紹介。
その上で、次のステップとして「今後は20年度からの運用に向けて、各局と調整を行い、書類簡素化の手引書の作成を進める」と語った。
提供:建通新聞社