地元が永年悲願としてきた築85年が経過する愛知川橋梁「御河辺橋(みかべばし、橋長327b)」の架け替えを含む県道雨降野今在家八日市線(東近江市神田町〜中岸本町)の道路改築事業の実施に向け業務を推進している滋賀県は、9月補正(債務負担行為)で地形測量の予算(1500万円)を確保した。
現在、事業を所管する東近江土木事務所が、昨年度に発注した概略設計で取りまとめたルート案を地元に示し協議を進めており、ルート決定で関係者合意が得られた場合、年度途中であっても速やかに次のステップを踏み出すことができるよう予算を確保したもの。
同路線の整備に向けては、一昨年12月20日に八日市商工会議所(村潔会頭)が呼びかけ、東近江市商工会、関係地区のまちづくり協議会・自治連合会・自治会・道路利用企業の代表、市議会議員ら32名が出席して意見交換会を開催。早期整備実現に向けた熱き思いの相次ぐ発言に、即日『県道雨降野今在家八日市線(御河辺橋)整備促進連絡会』の組織化を決定し、昨年2月14日に早速、知事・県議会への要望活動を展開。
長年、前進が見られなかった状況に、経済団体が主体的に関わり、官民並びに地元が一体、総力を結集して活動を推し進めた結果、昨年3月に策定された県道路整備アクションプログラム2018で「事業化検討路線」から「前期(〜22年度)着手」に格上げされた。しかし、18年度予算編成後の決定のため、立ち止まらずに前進するためには最初のコンサル、『概略設計』を発注する予算の確保が課題となっていたが、ここも、昨年の9月補正で予算を確保し、延長約2q×3ルート案を作成する道路概略設計が発注された。
昨年7月9日に開催されたの整備促進連絡会の会合に出席した東近江土木事務所の谷宏己道路計画課長(当時、現次長)は、「今後の流れ」について、同規模の事業では国庫補助採択を得られる熟度に達するまで(=事業着手まで)に5年程度、工事着手までは少なくとも10年程度の期間を要すると説明。出席者から着工までの期間短縮の可能性を問われ、谷課長は「初期の段階ではルートの決定、着工準備段階では用地買収が大きな課題になる」と答え。連絡会が目標とする早期実現には、様々な立場の関係者が協力し合うことが不可欠との共通認識を得る貴重な機会となった。
県道雨降野今在家八日市線は長年、東近江市の基幹道路として産業・経済の発展に大きく寄与し、生活道路としても湖東・愛東地域と八日市地域を結ぶ生活道路として重要な役割を担ってきた。しかし、御河辺橋は老朽化から05年(平成17年)より重荷制限がかかり車道部5・4b、歩道部1・5bと幅が狭く、また、中岸本町内でも狭隘から交通事故が多発、更には発生が危惧される大規模災害による通行遮断の可能性も大きく、地元経済界及び地域住民にとって早期整備は『永年の悲願』。アクションプログラムでの位置付けから概略設計と順調に進んできた事業。もし、今年度にルートを決定することができれば、着工へ、最短の道を進んでいると言える。
提供:滋賀産業新聞