新石川県立図書館整備工事の起工式は14日、金沢市小立野2丁目(金大工学部跡地)の建設予定地に谷本正憲知事や県議会、設計・施工業者、地元関係者ら約90人が出席して執り行われ、県民に開かれた文化立県・石川の「新たな知の殿堂」の着工を盛大に祝った。
谷本知事は式辞の中で「本県はかつて、加賀は天下の書府と言われ、学問が大いに奨励された土地柄。新たな図書館は石川らしい伝統を受け継ぎながら、あらゆる世代の県民に長きにわたり親しまれる図書館となるよう、2021(令和3)年度中の建物完成を目指して着実に整備を進めていく」と語った。来賓の馳浩、西田昭二両衆院議員、福村章県議会議長、山野之義県市長会長(金沢市長)、矢田富郎県町長会長(津幡町長)が順に祝辞を述べ、谷本知事による杭打ち初めも行われた。
起工式に先立ち、施工業者主催の安全祈願祭が開かれ、地鎮の儀で谷本知事が鎌入れ、福村県議会議長が鍬入れ、設計者の環境デザイン研究所の仙田満会長と、施工業者を代表して清水建設の山地徹代表取締役副社長が鋤入れして工事の無事を祈った。
建設規模はS造一部コンクリート充填鋼管構造、SRC造地上3階(一部4階)、地下1階建て、延べ床面積2万2000平方メートル。建物外観は落ち着いた色合いの大型パネルとガラス面とが交互に折り重なる形で、本のページをめくるイメージを表現。内部は中央を開放的な吹き抜けとし、その周りを書架が取り囲む「円形劇場」のような大閲覧空間とするほか、図書の配置、見せ方にも工夫を凝らし、来館者には多くの書物に囲まれながら館内をめぐる楽しさを体感してもらう。
新図書館の開架数は現図書館の約3倍となる約30万冊、約200万冊収蔵できる書庫も配し、いずれも近年開館した都道府県立図書館ではトップクラスの規模を誇る。本体工事費は約125億円。
施工は清水・豊蔵・表・寺井・双建JV(建築)、第一電機・成瀬電気・ムラモトJV(電気設備その1)、柿本・ツボ・柴JV(同その2)、菱機・三谷・松下JV(空調設備その1)、鈴管・みなみ・東和JV(給排水衛生設備)が担当。