金沢市は、将来的な建て替えも視野に入れた金沢歌劇座(下本多町)のあり方検討で、施設に求められる機能や役割、課題などの整理を進めている。月内にも第2回懇話会(座長/水野一郎谷口吉郎・吉生記念金沢建築館長)を開き、委員から意見を聞く方針だ。
金沢歌劇座は1962年に「金沢市観光会館」としてオープンし、2007年に現名称に変更。施設はSRC造地上5階地下1階建て1万530・37平方メートルで、敷地面積は9805・42平方。
県内最大となる1919席の大ホールを有し、市民の文化芸術活動の拠点として長年活用されてきたが、建築から57年を経過し、イベント主催者や来場者から改善を求める声も挙がっている。
整理作業では、コンサートなどのイベント企画・運営会社や音響設備業者、ホール利用団体などから施設に対する要望や改善点などを聞いており、今後の議論に反映させるという。
6月に開かれた第1回目の懇話会では、委員から「まちなかに質の高い芸術文化施設が必要」との意見が多くみられた。また、客席数に対する指摘や交流機能を求める声もあった。懇話会は計3回の会合で、年度内に意見を取りまとめる。
建て替えには100億円を超える事業費が想定されており、市は財源面からも十分に時間をかけて議論する方針を示している。