お知らせ
地方ニュース
建設経済新聞社
2019/10/07
【京都】宇治の天ヶ瀬ダム再開発事業 全体事業費が増加の見通し
近畿地方整備局が宇治市で進める天ヶ瀬ダム再開発事業について、現計画で定めた全体事業費５９０億円から事業費が増加する見通しであることがわかった。
同事業は、平成７年４月に基本計画策定（事業費３３０億円、工期は平成13年度）の後、平成23年３月に基本計画変更（事業費４３０億円、工期は平成27年度）、平成26年５月に基本計画第２回変更（事業費４３０億円、工期は平成30年度）、平成29年４月に基本計画第３回変更（事業費５９０億円、工期は平成33年度）を行っている。
今回想定される増額要因は主に３点。１点目は、平成29年度より本格着手した減勢池部における変更による増（大断面トンネル掘削を本格着手したところ、想定と異なる現場条件が判明）。
当初想定していた１・３ｔ級ブレーカーでは掘削できなかったことから、現地で試験施工を実施した結果、施工可能だった４・０ｔ級ブレーカーに変更することとした。
減勢池部の施工に着手するにあたり、夜間の土砂運搬作業時の騒音値が規制値を超えることが明らかになり、夜間作業に制限をかける必要が発生。そのため坑内作業期間の延長（上半掘削期間６ヵ月→10ヵ月、下半掘削期間９ヵ月→15ヵ月予定で合計10ヵ月延長）に伴い、施工機械損料及び仮設設備賃料等が増加した。
減勢池部は国内最大級の大断面かつ複雑な形状の水路トンネルで、類似の施工実績がないため、断面形状に応じたセントルの区割りを行い、セントル毎に一般的な道路トンネル用スライドセントル事例を元に費用を類推した。シュート部及び標準部を施工するのに先立ち、平成29年11月に施工業者により施工計画を検討した結果、一般的な道路セントルよりも部材量を増加させ高強度の構造とする必要が生じた。
重金属を含む濁水処理量が当初想定した年間総濁水処理量を超過し、更なる処理費用を計上する必要が生じた。
２点目は、既に着手済みだった流入部・導流部における変更による増（施工実績等を踏まえた変更が生じた）。
鋼管矢板切断方法が１ヵ所の切断から両側２ヵ所の切断への変更を検討。
導流部から継続していたスライドセントルで施工を想定していたが、接続部の覆工を鋼管矢板切断後ただちに施工する必要が生じたため、バラセントルによる施工への変更を検討。
止水対策に要するグラウト量変更による増。
３点目は、その他社会要因の変化（公共工事関連単価等に変更が生じた）。
◇
ゲート室部上屋新築工事など
来年２月～10月に実施予定
天ヶ瀬ダム再開発事業の今後の事業計画工程によると、令和元年度は、導流部でグラウト、掘削、覆工（接続部）、ゲート室部で本体構築、上屋建築、減勢池部で下半掘削、吐口部で桟橋切替・掘削、管理支所で発電機・受変電設備据付を実施する。
令和２年度は、流入部でゲート設備、運転支援装置据付、上屋建築、導流部でグラウト、覆工（接続部）、ゲート室部でグラウト、運転支援装置据付、上屋建築、減勢池部で下半掘削、下半覆工、吐口部で本体構築、管理支所で発電機・受変電設備据付、ダム制御装置据付を予定。
令和３年度は、流入部で上屋建築、鋼管矢板切断、桟橋撤去、減勢池部で下半覆工、吐口部で本体構築、桟橋撤去、管理支所でダム制御装置据付を予定。
天ヶ瀬ダム再開発ゲート室部上屋新築工事（宇治市宇治金井戸地先）、天ヶ瀬ダム再開発ゲート室エレベーター新設工事（宇治市宇治金井戸地先）をそれぞれ令和２年２月から10月の工期で実施する予定。
これまで実施した及び実施中の主な工事は、▽天ヶ瀬ダム再開発トンネルゲート室部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①鹿島建設㈱②ゲート室本体工（コンクリート）、グラウチング③平成28年３月３日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発トンネル減勢池部建設工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①大林－飛島特定建設工事ＪＶ②ＦＯ破砕帯対策工、トンネル（上半）掘削・覆工③平成28年３月15日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発トンネル流入部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先）＝①大成建設㈱②流入部本体工（コンクリート）③平成28年12月22日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発修理用ゲート設備戸当たり他据付工事（宇治市槇島町六石山地先）＝①㈱ＩＨＩインフラシステム②戸当たり（軽構造部）据付、空気管据付③平成29年４月28日～平成31年３月31日▽天ヶ瀬ダム再開発主ゲート設備他据付工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①日立造船㈱②主ゲート据付、小容量放流設備据付、小容量放流管設備据付③平成29年10月13日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発流入部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①大成建設㈱②接続部掘削・覆工・グラウト、前庭部・鋼管矢板切断③平成31年３月16日～令和４年２月28日▽天ヶ瀬ダム再開発減勢池部他建設工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①大林－飛島特定建設工事ＪＶ②トンネル（下半）掘削・覆工、吐口部本体（コンクリート）③平成30年９月８日～令和４年２月28日▽天ヶ瀬ダム再開発副ゲート設備他据付工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①日立造船㈱②副ゲート据付、小容量放流設備据付、小容量放流管設備据付③令和元年５月11日～令和２年３月31日▽天ヶ瀬ダム再開発受変電・発電設備設置工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①東亜エンヂニアリング㈱②高圧受変電設備更新、発電設備更新③令和元年５月17日～令和２年７月31日▽天ヶ瀬ダム管理支所車庫改修工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①㈱野原工務店②電気室棟改修、電気設備改修、機械設備改修③令和元年７月13日～令和元年12月９日。
同事業は、平成７年４月に基本計画策定（事業費３３０億円、工期は平成13年度）の後、平成23年３月に基本計画変更（事業費４３０億円、工期は平成27年度）、平成26年５月に基本計画第２回変更（事業費４３０億円、工期は平成30年度）、平成29年４月に基本計画第３回変更（事業費５９０億円、工期は平成33年度）を行っている。
今回想定される増額要因は主に３点。１点目は、平成29年度より本格着手した減勢池部における変更による増（大断面トンネル掘削を本格着手したところ、想定と異なる現場条件が判明）。
当初想定していた１・３ｔ級ブレーカーでは掘削できなかったことから、現地で試験施工を実施した結果、施工可能だった４・０ｔ級ブレーカーに変更することとした。
減勢池部の施工に着手するにあたり、夜間の土砂運搬作業時の騒音値が規制値を超えることが明らかになり、夜間作業に制限をかける必要が発生。そのため坑内作業期間の延長（上半掘削期間６ヵ月→10ヵ月、下半掘削期間９ヵ月→15ヵ月予定で合計10ヵ月延長）に伴い、施工機械損料及び仮設設備賃料等が増加した。
減勢池部は国内最大級の大断面かつ複雑な形状の水路トンネルで、類似の施工実績がないため、断面形状に応じたセントルの区割りを行い、セントル毎に一般的な道路トンネル用スライドセントル事例を元に費用を類推した。シュート部及び標準部を施工するのに先立ち、平成29年11月に施工業者により施工計画を検討した結果、一般的な道路セントルよりも部材量を増加させ高強度の構造とする必要が生じた。
重金属を含む濁水処理量が当初想定した年間総濁水処理量を超過し、更なる処理費用を計上する必要が生じた。
２点目は、既に着手済みだった流入部・導流部における変更による増（施工実績等を踏まえた変更が生じた）。
鋼管矢板切断方法が１ヵ所の切断から両側２ヵ所の切断への変更を検討。
導流部から継続していたスライドセントルで施工を想定していたが、接続部の覆工を鋼管矢板切断後ただちに施工する必要が生じたため、バラセントルによる施工への変更を検討。
止水対策に要するグラウト量変更による増。
３点目は、その他社会要因の変化（公共工事関連単価等に変更が生じた）。
◇
ゲート室部上屋新築工事など
来年２月～10月に実施予定
天ヶ瀬ダム再開発事業の今後の事業計画工程によると、令和元年度は、導流部でグラウト、掘削、覆工（接続部）、ゲート室部で本体構築、上屋建築、減勢池部で下半掘削、吐口部で桟橋切替・掘削、管理支所で発電機・受変電設備据付を実施する。
令和２年度は、流入部でゲート設備、運転支援装置据付、上屋建築、導流部でグラウト、覆工（接続部）、ゲート室部でグラウト、運転支援装置据付、上屋建築、減勢池部で下半掘削、下半覆工、吐口部で本体構築、管理支所で発電機・受変電設備据付、ダム制御装置据付を予定。
令和３年度は、流入部で上屋建築、鋼管矢板切断、桟橋撤去、減勢池部で下半覆工、吐口部で本体構築、桟橋撤去、管理支所でダム制御装置据付を予定。
天ヶ瀬ダム再開発ゲート室部上屋新築工事（宇治市宇治金井戸地先）、天ヶ瀬ダム再開発ゲート室エレベーター新設工事（宇治市宇治金井戸地先）をそれぞれ令和２年２月から10月の工期で実施する予定。
これまで実施した及び実施中の主な工事は、▽天ヶ瀬ダム再開発トンネルゲート室部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①鹿島建設㈱②ゲート室本体工（コンクリート）、グラウチング③平成28年３月３日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発トンネル減勢池部建設工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①大林－飛島特定建設工事ＪＶ②ＦＯ破砕帯対策工、トンネル（上半）掘削・覆工③平成28年３月15日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発トンネル流入部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先）＝①大成建設㈱②流入部本体工（コンクリート）③平成28年12月22日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発修理用ゲート設備戸当たり他据付工事（宇治市槇島町六石山地先）＝①㈱ＩＨＩインフラシステム②戸当たり（軽構造部）据付、空気管据付③平成29年４月28日～平成31年３月31日▽天ヶ瀬ダム再開発主ゲート設備他据付工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①日立造船㈱②主ゲート据付、小容量放流設備据付、小容量放流管設備据付③平成29年10月13日～平成31年３月29日▽天ヶ瀬ダム再開発流入部本体他建設工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①大成建設㈱②接続部掘削・覆工・グラウト、前庭部・鋼管矢板切断③平成31年３月16日～令和４年２月28日▽天ヶ瀬ダム再開発減勢池部他建設工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①大林－飛島特定建設工事ＪＶ②トンネル（下半）掘削・覆工、吐口部本体（コンクリート）③平成30年９月８日～令和４年２月28日▽天ヶ瀬ダム再開発副ゲート設備他据付工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①日立造船㈱②副ゲート据付、小容量放流設備据付、小容量放流管設備据付③令和元年５月11日～令和２年３月31日▽天ヶ瀬ダム再開発受変電・発電設備設置工事（宇治市槇島町六石山地先～宇治市宇治金井戸地先）＝①東亜エンヂニアリング㈱②高圧受変電設備更新、発電設備更新③令和元年５月17日～令和２年７月31日▽天ヶ瀬ダム管理支所車庫改修工事（宇治市宇治金井戸地先）＝①㈱野原工務店②電気室棟改修、電気設備改修、機械設備改修③令和元年７月13日～令和元年12月９日。
 |
