名古屋市上下水道局は10月4日、堀留水処理センターの高度利用化に向けて、住宅都市局と緑政土木局との3局によるプロジェクト会議を立ち上げる考えを明らかにした。9月市会定例会の経済水道委員会で宮村喜明上下水道局長が答弁、2026年アジア競技大会や27年のリニア中央新幹線の開業予定を見据えて検討を本格化させるとした。本年度内に策定する次期中期経営計画に盛り込む考えだ。
堀留水処理センターは、中区千代田1ノ1ノ12に所在。日本で初めて活性汚泥法を採用した施設で、1935年に運転開始、70年に隣接する久屋大通公園フラリエの地下部を利用して拡張整備を完了させている。面積は全体で約2万5500平方bで、旧管理棟などが所在する東側が約7800平方b、フラリエ地下部は約1万7700平方b。
委員会では、市内に15カ所ある水処理センターのうち、ポテンシャルの高い栄・大須地区内にあることもあり、施設老朽化対策に対する今後の方針として、上部空間を活用した高度利用化を図っていく考えを示した。
宮村局長は下水道施設の在り方として、汚水を処理して河川に放流するだけでなく、上部空間を有効利用し魅力あるまちづくりに貢献していくことも重要だと指摘。堀留水処理センターについて「ポテンシャルが高い(立地)と思う。高度利用化が望ましい」と回答した。一方、高度利用化について、維持管理面や将来の改築に当たって支障がないようにする必要があるといった課題があり、課題の解決に向けてしっかり考える必要があるとした。また、まちづくりや民間活力の導入などで住宅都市局、フラリエの敷地を管理する緑政土木局と調整する必要があるとし、3局によるプロジェクト会議を立ち上げる考えを明らかにした。
下水道施設の高度利用の例では、東京都下水道局の芝浦水処理センター(上部は芝浦シーズンテラス)や、中継ポンプ施設の銭瓶町ポンプ所の再構築(東京駅北側の常盤橋街区に所在、一部敷地の活用で、上部は、三菱地所の常盤橋街区再開発で工事中)がある。
提供:建通新聞社