横浜市は「赤レンガ倉庫」(中区、写真)に大規模修繕を施す。外壁の劣化や雨漏りなどの不具合に加え、設備も交換時期に来ているためで、2022年のリニューアルオープン20周年までに完了させる方針だ。また、臨港パーク(西区)にカフェとレクリエーションの拠点を整備する事業者を10月上旬〜12月で公募・選定し、20年の上半期に工事着手できるようにする。10月3日の市会決算第1特別委員会で中野裕也港湾局長が答えた。
「赤レンガ倉庫」は国が明治〜大正期に建設した1号館(3階建て延べ床面積5575平方b、1913年完成)と2号館(3階建て延べ床面積1万0755平方b、11年完成)の2棟で構成。用途廃止後に市が取得して保存活用工事を行い、1号館を文化施設、2号館を商業施設に再整備して2002年にリニューアルオープンさせた。近代化産業遺産(07年認定)にもなっている。
建物の状況を問われた中野局長は「外壁のれんがの劣化、雨漏りなどの不具合が生じており、その都度、緊急修繕で対応している」だけでなく、「空調設備などが耐用年数に達しており、交換の時期に来ている」と説明。また、商業施設の運営会社(横浜赤レンガ)がリニューアルなどを計画していることを明かしながら「市としても大規模な修繕を実施し、華々しく2022年の20周年記念を迎えていきたい」と答弁した。
19年度末から20年度上半期にかけて詳細調査を行った上で、20年度下半期〜21年度に設計や工事を進めたい考え。
一方、臨港パークのカフェとレクリエーションの拠点は、潮入りの池付近の土地約600平方bを利用して整備する。港湾緑地に民間便益施設を設置できる制度(設置許可等制度)の初弾で、7〜8月にサウンディング調査(事業者との対話)を実施していた。
中野局長は、サウンディング調査に応じた5団体(10社)から▽カフェ、スポーツ施設とともに緑地でドッグランなどのイベントも提案したい▽美と健康をテーマにあらゆる年齢層を対象とした施設を提案したい▽臨港パークから山下公園までプロムナードの距離表示の設置などに協力したい―といった意見を得たことを紹介。
その上で「10月上旬に事業者の公募を開始し、12月には事業者を決定する予定。その後、関係機関との協議を経て、事業者が設置の許可を取得して、20年の上半期には工事に着手できるよう進める」と語った。
さらに、17年度の公共空間活用提案モデル事業(政策局)で公募・選定されたグランピング施設を「カップヌードルミュージアムパーク(中区)での実現に向けて調整していく」と述べた。
提供:建通新聞社