県大津土木事務所は、びわ湖バレイロープウェイ沿いを流れる木戸川流域(大津市木戸他)の既存砂防施設の長寿命化に伴い、施設全体の見直しを計画している。現在、調査検討業務を日水コン滋賀事務所(守山市)、測量業務をサンキ(栗東市)で進めており、順調にいけば20年度に詳細設計、21年度に工事を実施する予定。
検討業務では、これまで設置された木戸川流域の高さ16b〜5・3bの砂防堰堤6ヵ所とその流域の現状を把握し、木戸川計画基準点より上流域1・5平方において、過去の全体計画および土砂災害警戒区域設定等の過年度調査結果を参考に立木・土砂収支計算を行い、将来の施設配置計画をふまえた全体計画の見直しと同時に、長寿命化に資する堆砂除石計画を立案する。
また、木戸川流域には複数の砂防施設が設置されており、土砂災害などについて備えを行っているが、近年の局地的豪雨による想定以上の水量が押し寄せることも警戒されることから同事務所は、現状ある砂防施設に土砂だけではなく流木を止めることができる機能を設置する流木対策も視野に入れての調査を行っており、環境変化に対しても柔軟な対応ができる砂防施設の完成を目指す。
なお、被害予測流域には寶國山安養寺や樹下神社といった寺院や300世帯近くの住宅が含まれ、土石流の発生時には、県道高島大津線にも影響を与えることが予想されることから、同事務所は今回の事業でさらなる流域の安全確保や周辺住民の安全確保に備える。
提供:滋賀産業新聞