近畿地方整備局と福井県建設業協会の意見交換会はこのほど開催され、局の情報提供後、福井河川国道事務所など各事務所から事業概要の説明が行われた。
嶋田博文福井河川国道事務所長は、2つの社会的な使命を強調した。インフラの整備と保全を通じて地域の元気を創出する点と、地域の安全・安心の確保を行う点で「(私自身)建設業界の皆さんは本当に大切なパートナーであり、これらの使命は私たちだけでは実現はできない。皆さんの協力があってこそ成し遂げることが可能。令和元年度当初予算は360億円の予算で、みなさんのお力を借りながら、現場でしっかりと形にし、使命を果たしていきたい」と力強く抱負を示した。
使命の前者では、中部縦貫自動車道と冠山峠道路等の整備により北陸・関西・中京地方の各都市間の連携強化を図る。後者では、18年2月福井豪雨の教訓を踏まえ、関係機関が連携し、様々な対策を図り、冬期の道路交通ネットワークの確保を図る。防災・減災・国土強靭化3カ年緊急対策により、集中的にハード・ソフトの対策を実施し、施設の老朽化対策を進める。治水のための河川改修で、コウノトリの餌場となる湿地再生も同時に実現する(日野川水防災・湿地創出事業)。大洪水に備えて、九頭竜川の堤防を強化する(フェニックス堤防整備事業)としている。
また、建設中の荒島第一トンネル(施工=安藤ハザマ)の現場を活用した、大野荒島トンネルコンサートの盛況ぶりを報告。奥越太鼓保存会や大野高校吹奏楽部らが出演し、参加者約200人には、建設中の「今しか聞けない音」を堪能してもらい、大野油坂道路や建設業界に関する理解も深めてもらった。
足羽川ダム工事事務所は、今年度は約77億円の予算規模で、内訳は用地補償約18億円、工事費約48億円、測量設計費等約11億円。工事では転流工事を継続実施し、水海川導水トンネル工事を継続実施、原石山の掘削工事に着手する。測量設計費等はダム関連施設(機械設備含む)および付替道路の設計と必要となる調査を継続実施。水位・流量観測、雨量観測、河川の水質観測や気象観測、環境モニタリング調査を継続実施している。
九頭竜川ダム統合管理事務所からは、今年度事業を説明。大野市箱ケ瀬地先における災害復旧事業(ドライブイン駐車場直下の九頭竜ダム貯水池内でコンクリート法枠工法による法面補強)や、大野市野尻地先の災害復旧事業(市道直下の九頭竜ダム貯水池内でコンクリート法枠工法で法面補強)、および大野市中島地先の災害復旧事業(コンクリートブロック積および洗掘防止の根固めブロック設置)などを紹介した。