香川県教育委員会は開会中の9月定例県議会に、現在、さぬき市にある志度、石田、津田の3高校を統合し新たな高校を設置する方針を表明した。2021年度からおおむね10年間の「県立高校の在り方を示す次期計画」の策定に向け、今議会にたたき台となる「次期計画の考え方(素案)」を示した上で、「今後の県立高校の在り方に関する協議会」から意見を聴取と併せパブリックコメントの手続きを進め、11月県議会に具体の成案を提案する。次期計画はこれらを経て、19年度末にも策定する考えだ。
県教委は01年以降おおむね10年間を見通した「県立高校の再編整備基本計画」を策定し、期間中に善通寺地区や多度津地区の高校の統合、中高一貫教育校の設置や学区の検討などを行った。また、09年度に策定した現行計画(11〜20年度)では小豆地域と三豊・観音寺地域における高校の統合と坂出高校に教育創造コースと、多度津高校に造船コースをそれぞれ新設するなど再編整備を進めてきた。
21年度からおおむね10年間の県立高校の在り方を示す「次期計画」に盛る考え方によると、グローバルな社会への対応や郷土愛、イノベーション創出に必要な資質・能力を育成する、県立高校に求められる役割に対応するため、必要な教育環境の整備では▽高校・学科の再編整備▽全国からの生徒募集▽学区の弾力的な運用▽中高一貫教育の充実▽魅力の発信などの課題・論点を挙げた。
このうち高校・学科の再編整備の中で▽県立高校は少子化が進む中でも一定の規模を維持しながら、生徒の多様なニーズに応じた学びを全県的な視点に立ち総合的に保障する▽東讃地域(東かがわ・さぬき地域)は、他の地域に比べ、今後の中学卒業者の減少が急速に進み、現地域にある4校が小規模化し教育活動にも制限を受けることが想定されるため、統合を中心とした再編整備の検討を進める、としている。
18年度から数回にわたり地元のさまざまな立場から高校・学科・コースの在り方などで意見聴取してきた「東かがわ・さぬき地域の、今後の県立高校の在り方に関する懇談会」には、▽地域4校の特色や伝統を残し、生徒の幅広な、教育の選択肢の確保と地域活性化の視点が不可欠▽学校の特色を生かした学校再編には一定の学校規模が必要―などとする意見が出ていた。
このため、さぬき地域3高校の、統合では▽石田高校―農業、家庭科▽志度―商業、工業▽津田―普通科の学科を残す視点に加え、次期整備計画が固まり次第、さぬき地域の新統合高校の議論において、専門家の意見聴取の他、早急に求められる教育内容、施設規模・内容、施設整備に当たっての場所などについて20年度以降早急に具体化する。
提供:建通新聞社