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建設経済新聞社
2019/09/27

【京都】南田辺西地区約60fの開発見据え 環境事前調査の結果まとめ 今後、再度猛禽類調査実施へ

 京都府は26日、京田辺市三山木奥山田他の南田辺西地区約60fについて、今後の開発を見据えて実施した環境事前調査の結果をまとめ、9月議会農商工労働常任委員会に報告した。
 調査対象は、関西文化学術研究都市の未整備クラスターの南田辺・狛田地区のうち、南田辺西地区約60f(市街化調整区域)。南田辺西地区約60fを含む南田辺東・西地区の102・8fについては、平成28年3月の府都市計画審議会で開発熟度が増すまで市街化区域への編入を保留する特定保留に設定。なお府は平成28年度に関連業務として、民間活力活用型クラスター開発検討調査委託業務をオオバで進めた。
 当該地は平成24年1月に日本生命保険相互会社が府へ寄付を申し出。平成25年1月に寄付契約書が締結され府への所有権移転が完了した。現況は山林(丘陵地帯)で甲子園の15倍程度、京都御苑と同程度の大きさがあり、南北1q、東西1・1qに及ぶ。南田辺北(同志社山手)の開発地に接し、南東側には京奈和自動車道の精華下狛インターチェンジがある。
 学研都市では、研究所や研究開発型産業施設の立地が進み、新たに進出する土地がない中で、立地を希望する企業が多いことから、企業誘致の用地確保が喫緊の課題。こうした状況を踏まえ、府は南田辺西地区でクラスター整備を進める予定だが、事業を進めるために、オオタカ等の猛禽類の生息調査を実施し、土地利用を検討する上での基礎資料とする。調査委託期間は平成30年11月29日から令和元年9月30日。南田辺西地区環境事前調査の担当は八千代エンジニヤリング。
 調査は、環境省「猛禽類保護の進め方(改訂版)(平成24年12月)」及び有識者の助言に基づき、調査計画・項目を策定した上で、@巣探し定点調査(営巣地の絞り込み)A営巣地調査(営巣地を特定)B繁殖状況調査(繁殖活動の進行状況を把握)C行動調査(巣立ち幼鳥の行動範囲を把握)を実施した。
 調査の結果、南田辺西地区及び同地区周辺で9種類の猛禽類の飛翔を確認。南田辺西地区の周辺(南西約2q)で一つがいのオオタカの営巣・繁殖を確認した(他には猛禽類の営巣・繁殖は確認されなかった)。一方、南田辺西地区でオオタカ等の猛禽類の営巣、繁殖及び採食行動は確認されなかった。
 調査結果について、環境省の猛禽類保護の進め方では、オオタカの行動圏は営巣地から2q以内が多いこと、重要な採食地は250mから1qの範囲であることが多いことから、「南田辺西地区の整備によるオオタカの営巣・繁殖に与える影響は極めて小さい」とした。
 今後については、環境省の猛禽類保護の進め方では、オオタカの保全措置を検討するには2営巣期の調査が望ましいとされていることから、土地利用の検討を進める過程で、再度、オオタカ等の猛禽類の調査を実施する予定。