【愛知県日進市】名古屋商科大学などを運営する学校法人栗本学園(日進市米野木町三ケ峯)は、外国人材の家族の受け入れなどを想定した全寮制高校「(仮称)国際高等学校」の新設を計画している。現段階では、2020年春ごろの着工を目指している。
建設地は日進市米野木町三ケ峯4ノ4の、名古屋商科大学日進キャンパス内。同キャンパス内にある旧光陵女子短期大学の校舎(鉄筋コンクリート造地下1階地上3階延べ6344平方b)を同校の校舎として改修するとともに、この北側に地下1階地上4階の学生寮を新築する。
設計は安井建築設計事務所名古屋事務所(名古屋市東区)が担当している。
学生寮は、地下1階地上4階建ての円環状の建物を想定。延べ面積などの詳細については検討中のため、明らかにしていない。地下1階と地上1階部分はラウンジや食堂、自習スペースなどを設けた共有部にし、2〜4階を寮室にする。
寮は約270人を収容。各部屋は2〜4人定員のシェアルームとする。寮室の外壁はガラスカーテンウォールを想定しており、周囲の木々を映しこみ自然と調和できる外見を保つとともに、開放感を確保。また、内装については、日本風の「和」を意識できるものを想定している。詳細については現在、検討中。
同学園は、校舎について、すでに教室などの機能があるため大規模な改修は行わないとしている。ただし、高校には使わない研究室があることや、理科実験室や調理実習室などがないことから、これらの確保についても現在検討している。
竣工は21年8月、同年9月のオープンを予定。
建通新聞の取材に対し、同学園の栗本博行理事長は「愛知県内には海外人材の家族が英語で教育を受けられる場が少ないのが現状」と指摘。企業が外国人材を受け入れる際にも、これがネックになるという。このため、同校の授業は全て英語で実施。また、全寮制とする理由は「各国の人間と共同生活を行うことで、異文化に触れ、理解を深めてほしい」からだとしている。
「(仮称)国際高等学校」は、世界的なインターナショナルスクールの基準である、国際バカロレア機構の認定(IB)を目指している。IBは日本国内でも数十校しかなく、栗本理事長は「現在、愛知県内の英語IB校は2校のみ。この学校が認定されれば、県内初の全寮制IBとなる」とした。
提供:建通新聞社