神奈川県と茅ケ崎協同は9月25日、「茅ケ崎ゴルフ場利活用事業」の優先交渉権者にゴルフダイジェスト・オンライン(東京都品川区)を代表法人とするグループを優先交渉権者に選定したと発表した。構成員として亀井工業ホールディングス(茅ケ崎市)と湘南ベルマーレスポーツクラブ(平塚市)が名を連ねる。事業コンセプトとして掲げているのは、ゴルフパークやホテル、オフィスなどを複合的に展開し、湘南地域の恵まれた自然環境を背景とした「新しいリゾートエリア」や、地域コミュニティーの醸成につながる「開かれた防災拠点の形成」など。2020年3月の土地売買契約・土地賃貸借契約の締結を経て、整備に向けた具体的な手続きを進めていく。
今回の事業者募集は7月に開始。3者から応募があったものの、第1次審査で2者を失格とした。その後、提案の内容・価格を審査し、優先交渉権者の選定に至った。
ゴルフダイジェスト・オンラインらの提案は、ローカルファーストを基本に、未来へ向けた茅ケ崎のランドマークを創造するというもの。敷地の大半はゴルフパークが占める。その西側を「にぎわい交流エリア」として、▽未病改善・健康増進施設▽ローカル商業施設▽子育て支援施設▽ホテル▽オフィス・起業支援施設―を導入する。また、防災機能を強化するとともに、地域に開かれた防災拠点の形成を目指すとしている。
今後は、10月に県、茅ケ崎協同、茅ケ崎市、優先交渉権者の間で基本協定を交わす。土地売買契約・土地賃貸借契約の締結を終えた20年4月以降は、まちづくり計画の策定、都市計画の決定・変更、造成工事・建築工事に関する手続き、事業着工を順次行っていく方針だ。
事業計画区域は、茅ケ崎市菱沼海岸6991ノ16他に所在する19万8786平方b(県有地11万9773平方b、茅ケ崎協同所有地7万5099平方b、市有地3913平方b)。用途地域は第1種低層住居専用地域で、建ぺい率50%、容積率100%となっている。
同ゴルフ場の利活用を巡っては、16年8月に東京急行電鉄・電通グループを優先交渉権者として選定したものの、同年10月に同グループから辞退届が提出された経緯がある。このため、17年4月から3年間、ゴルフ場として暫定利用している。
提供:建通新聞社