トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建設新聞社
2019/09/25

【東北・岩手】教訓を伝える鎮魂と追悼の場に/高田松原復興祈念公園の主要施設がオープン/東北整備局など

 東北地方整備局・岩手県・陸前高田市が共同で陸前高田市に整備する高田松原津波復興祈念公園の中核を成す道の駅「高田松原」、東日本大震災津波伝承館「いわてTSUNAMIメモリアル」などの主要施設が22日にオープンした。被災3県の追悼施設の中では最も早い開業となる。被災した車両や震災当時の映像、避難者の証言など約150点を展示し、被害や教訓を後世に伝える役割を担うほか、道の駅による新たなまちのにぎわい創出にも期待がかかる。
 式典には、高円宮妃久子さまや赤羽一嘉国土交通大臣、達増拓也岩手県知事、戸羽太陸前高田市長ら約180人が出席。岩手、宮城、福島の被災3県に整備する追悼施設の中で初のオープンを祝った。 
 高円宮妃久子さまは「鎮魂と追悼に思いを馳せる拠り所となること、震災を後世に伝承し続ける場となることを心より願う」とお言葉を述べられた。
 赤羽大臣は「復興の象徴として地域の発展に寄与することで、人の復興がさらに前進するよう総力を挙げ事業に取り組んでいく」とあいさつした。達増知事は「国や市と一体となり、三陸のより良い復興に向け取り組んでいく」と決意を表明。戸羽市長は「市民待望の施設がオープンした。にぎわいの創出を図り災害に強い持続可能なまちづくりを進めていく」と祝辞を寄せた。その後、関係者らがテープカットを行い、開業を祝福した。
 復興祈念公園は岩手、宮城、福島の被災3県に整備する。岩手県では陸前高田市高田町、気仙町の高田松原周辺に、津波が来襲した広田湾から気仙川へと至る「祈りの軸」を中心として、市の物販施設が入居する道の駅「高田松原」、震災伝承や防災教育などの場となる東日本大震災津波伝承館「いわてTSUNAMIメモリアル」、震災遺構の旧気仙中学校などを配置する。
 今回は、東日本大震災津波伝承館「いわてTSUNAMIメモリアル」と道の駅「高田松原」のほか、祈りの軸、海を望む場、献花の場、奇跡の一本松の国営追悼・祈念施設の一部がオープンした。
 東日本大震災津波伝承館と道の駅は、RC造平屋一部2階建て、延べ4340平方bの一体的な施設。基本・実施設計はプレック研究所・内藤廣建築設計事務所JV、施工は建築が西松建設、電気は四電工、機械は大成設備がそれぞれ担当した。
 東日本大震災津波伝承館は、「命を守り、海と大地と共に生きる〜二度と東日本大震災津波の悲しみをくり返さないために〜」をテーマに、田野畑村消防団の被災車両や津波被害の映像、避難者の証言など約150点を展示し、津波の真実と教訓、復興へ力強く歩んでいく姿を世界に向け発信する。展示設計は乃村工藝社・プレック研究所共同提案JV、展示製作は乃村工藝社が担当した。
 道の駅は、国の「重点道の駅」として道路情報施設、追悼・祈念施設の休憩所や、市の地域振興施設で構成。三陸地域のゲートウェイとしての役割を担う。
 公園全体の完成は2021年度末を予定している。

提供:建設新聞社