京都府9月議会の一般質問(2日目)が20日に行われ、山陰近畿自動車道の質問について、西脇隆俊知事が答弁した。
西脇知事は「山陰近畿自動車道は、日本海国土軸の一翼を担い、広域連携ネットワークを形成する鳥取市から宮津市までの約120qを結ぶ地域高規格道路。昨年7月豪雨では、瀬戸内側の各高速道路が軒並み通行止めとなり、日本海側への広域迂回が必要となったことから、我が国全体の社会経済活動を支えるために早期に整備すべき路線であることを実感した。京都府にとっても救急医療を支え、地域住民の生命を守る命の道として、海の京都観光圏域の周遊性をさらに高める基幹道路として、府北部地域の社会経済活動にとって必要不可欠な道路。こうした中、現時点の整備状況は全線約120qのうち、供用区間は44q。京都府域では宮津天橋立インターチェンジから兵庫県境までの約43qのうち、供用区間は京丹後大宮インターチェンジまでの10・7qにとどまっており、事業中の大宮峰山道路の5・0qを合わせても半分以上が未着手の状態。このうち国の直轄権限代行事業として事業化されている大宮峰山道路の5・0qは、事業の進捗を促進するため、京丹後市が集中的に地積調査を実施するとともに、京都府も今年4月に京都府土地開発公社北部事務所の京丹後支社を開設し、積極的に用地取得を進めている。その結果、工事着手が可能な状態となった箇所もあることから、今年中に工事着手の予定と聞いている」「大宮峰山道路にとって一体不可分のインターチェンジへのアクセス道路となる大宮峰山インター線も京都府で事業を実施しており、本線の円滑な事業進捗に必要な工事用道路としても活用できるよう、国及び京丹後市と連携調整しつつ、取り組んでいる」などと取り組み状況を述べ、「網野から兵庫県境の区間は、今年7月に丹後・地域高規格道路推進協議会から要望をいただいた際に、住民アンケートの結果及びそれを反映した地元希望ルート帯の提案を受けた。約50%というアンケートの回収率に関しては地元の熱意を強く感じた。京都府としては、この熱意をしっかり受けとめ、来年度から国の補助を受けて都市計画決定に向けた調査に着手したいと考えている。調査にあたっては提案された地元希望ルート帯の考え方を尊重しつつ、兵庫県と調整を図りながら、現地の地形、地質、土地利用の状況など、技術的観点も考慮して最適なルートを検討していく」と見通しを示した。
なお丹後・地域高規格道路推進協議会が今年7月に知事に要望した地元希望ルート帯は、国道178号に概ね並行する形の延長19〜20q。