高知県安芸土木事務所は、2016年9月に路面が陥没し通行止めとなっている県道安田東洋線の犬吠橋について、重要文化財保存・活用の観点から補修・修理の方針を検討している。合わせて現橋の谷側にショートカットする形で新犬吠橋を架設するため、用地交渉が順調に進めば初弾となる橋台1基の一般競争入札を年度内に公告する。
現橋の概要は、橋長41b、幅員4・4bの鋼製単トラス桁橋。魚梁瀬森林鉄道の一部として1924年に建設、61年以降は道路橋として供用されていたが、16年9月22日に鋼材の損壊を確認、斜材4カ所が破断し、上弦材と下弦材が大きく変形していたことが分かった。その後の調査により、想定を超える重量の車両が通行したことが原因と推定されている。18年4月には床版を撤去した。現在は上流側に仮設のう回路を設置している。
同橋は国の重要文化財であるため、自転車歩行者道として修復する方針。すでに20年度までの期間で「重要文化財等保存整備調査等委託業務」を文化財保存計画協会(東京都千代田区)に委託し、補修・修理方針を検討中。これに関連し、調査業務を長大高知事務所(高知市)に委託、トラス変形部の詳細を把握するための調査や、変形箇所以外の損傷状況調査を進める。これらの結果に基づき、20年度末に修復計画を策定、21年度以降工事を進める方針。
また車道については、現橋の約200b下流側に新たなバイパスルートを建設し、新犬吠橋を架設する。概要は橋長101b、標準幅員6・5bの2径間鋼連続合成箱桁橋で、下部は橋台2基が逆T式、橋脚が壁式となる。19年度に初弾工事として橋台1基を発注、20年度以降に残りの下部工を発注する。完成時期は未定。詳細設計は日建技術コンサルタント高知事務所(高知市)が担当した。場所は北川村久木。
提供:建通新聞社