県は、2019年の千葉県地価調査結果を公表した。それによると、県内の18年7月から1年間の地価の対前年平均変動率は、住宅地・商業地・工業地・全用途平均ともに上昇幅が拡大した。東京圏では昨年に引き続き上昇地点数が横ばい地点数・下落地点数を上回り、地方圏では依然として下落地点数が上昇地点数を上回っている。また、東京圏では昨年より下落地点が減少し、上昇・横ばい地点が増加、地方圏では同様に下落地点が増加し、上昇・横ばい地点が減少している。
平均変動率の上昇は、全用途、住宅地、商業地で浦安市が1位となった。上昇率は全用途が5・6%、住宅地が3・7%。商業地が16・8%。工業地の1位は松戸市の11・5%。平均価格順位は昨年と同様で、全用途、住宅地、工業地で浦安市が1位。商業地は市川市が1位。
一方、全用途平均変動率の下落1位は野田市と白井市の△1・9%。住宅地は野田市の△2・7%、商業地は富津市と栄町の△2・0%となっている。
住宅地の平均変動率は0・3%と、昨年の0・1%から上昇幅が拡大。県内の調査対象59市区町村の平均変動率は、上昇が21市区町、横ばいが1区、下落が37市町村となっている。市区町村別の平均変動率の上位は、浦安市3・7%、袖ケ浦市3・2%、一宮町2・6%。下位は野田市△2・7%、白井市△1・9%、栄町△1・5%。
住宅地の基準地別変動率の上位は、柏市大室が11・5%、一宮町東浪見が10・2%、君津市中野5丁目が7・9%。下位は、野田市山崎の△5・4%、柏市亀甲台町2丁目と市原市椎の木台2丁目、我孫子市新木の各△5・1%。
商業地の平均変動率は2・8%と、昨年の1・6%から上昇幅が拡大した。県内の調査対象51市区町の平均変動率は、上昇が27市区町、横ばいが7市町、下落が16市町。平均変動率の上位は、浦安市16・8%、市川市12・9%、一宮町10・3%。下位は、富津市と栄町の△2・0%、横芝光町と御宿町の△1・0%。
商業地の基準地別変動率の上位は、市川市八幡2丁目が22・5%、浦安市美浜1丁目が22・4%、船橋市本町4丁目が18・1%。下位は、富津市富津と栄町安食台2丁目が△2・0%、印西市木下が△1・6%。
工業地の平均変動率は2・5%と、昨年の2・0%から上昇幅が拡大した。県内の調査対象19市区町の平均変動率は、上昇が11市区、横ばいが8市区町、下落は0。最も上昇率が大きいのは松戸市の11・5%。
工業地の基準地別変動率の上位は、松戸市稔台5丁目の11・5%、野田市はやまの7・3%、市原市青柳2丁目と同五井の4・6%。
調査対象区域は県内59市区町村の全域で、調査地点数は合計841地点。継続調査地点は林地を除き815地点で、このうち314地点が上昇となり、236地点が横ばい、265地点が下落した。地域別で見ると、上昇地点が東京圏で303地点、地方圏では11地点となっている。
地価公示(基準日・1月1日)と地価調査(基準日・7月1日)の同一地点は、住宅地58地点、商業地13地点、工業地1地点の合計72地点。
住宅地の同一地点は、半年前に比べて上昇が1地点減少、横ばいが3地点増加、下落が1地点減少した。商業地の同一地点は、同じく上昇が1地点減少し、横ばいが1地点増加となった。
地域別動向は次の通り。
【住宅地】
▽東京圏(30市区町)=@東京圏の住宅地の平均変動率は0・6%と、昨年の0・3%より上昇幅が拡大。19市区が上昇、1区が横ばい、10市区町が下落した。このうち、最高上昇率は浦安市の3・7%A継続地点476地点のうち218地点で上昇、137地点で横ばい、121地点で下落となっている。
▽地方圏(29市町村)=@地方圏の住宅地の平均変動率は△0・5%と下落幅が拡大した。2市町が上昇、27市町村が下落した。このうち、最高上昇率は一宮町の2・6%A継続調査地点196地点のうち、7地点で上昇、66地点で横ばい、123地点で下落となっている。
【商業地】
▽東京圏(29市区町)=@東京圏の商業地の平均変動率は3・9%と、昨年の2・3%から上昇幅が拡大した。24市区町が上昇、2市が横ばい、3市町が下落した。このうち、最高上昇率は浦安市16・8%A継続調査地点85地点のうち、71地点で上昇、11地点で横ばい、3地点で下落となっている。
▽地方圏(22市町)=@地方圏の商業地の変動率は0・1%と、昨年の△0・1%の減少から上昇に転じた。3市町が上昇、5市町が横ばい、13市町が下落した。このうち、最高上昇率は一宮町の10・3%A継続調査地点34地点のうち、3地点で上昇、13地点で横ばい、18地点で下落となっている。