神奈川県県土整備局は遊水地整備事業の今後のスケジュールを示した。柏尾川は2023〜33年度、恩田川は25〜34年度を工事期間とするもの。恩田川については36年度の完成を目指し、護岸整備も進めている。いずれも同局公共事業評価委員会で再評価対象として審議され、事業継続が妥当とされた。
両河川は、過去の大雨で水害が発生した河川、都市化の進展が著しい地域を流れる河川を対象とする「都市河川重点整備計画(新セイフティリバー)」の対象。
このうち、柏尾川の遊水地(仮称・金井第二遊水地)は、都市洪水対策の一環として整備を進めるもの。既存の金井遊水地に隣接する大規模工場敷地の一部、約8fの区域(横浜市栄区金井町地先他)を整備予定地としている。金井遊水地全体の計画容量は110万立方bで、既設遊水地は約18万立方b。
約32・5万立方bの容量を想定する今回の整備は15年度に事業化した。用地取得率は7%、事業進捗率は19%。この他に用地に関わる補償手続き、三井共同建設コンサルタント(東京都品川区)による詳細設計業務などを行ってきた。
また、施設の上部利用については、都市部の貴重なオープンスペースを生かすべく、地元の意向などを踏まえながら有効な活用方策を探っていくとしている。
今後は20年度までの補償手続きを経て、21年度から29年度を用地取得に充てる。遊水地工は23年度に開始する予定。
一方、恩田川は、横浜市緑区小山町地区地先の約3fを活用する計画で、施設容量約10万立方bを想定。この他に、護岸工や河床掘削工を行っている。
事業化は10年度で、現時点の進捗率は14%。護岸の供用率は40%となっている。遊水地に関しては、ニュージェック(大阪市北区)が予備設計業務を担っている。
今後のスケジュールとして、護岸工(〜36年度)、用地取得(20〜24年度)、遊水地工(25〜34年度)が示されている。
提供:建通新聞社