県土整備部と県建設業協会は22日、総合評価の評価項目に「災害協定」を追加する案について意見交換した。県が提示した加点措置0・2点とする案に、県建協は「災害時に命をかけて出動する評価としてはあまりに低い」とさらなる上乗せを求めた。また、県は若手技術者の配置を促進する新入札制度の試行案を示した。
「災害協定」の加点措置は、昨年度の会合で県建協が要望していた。これを受けて、県は「中身を丁寧に内部議論してきた」(草野愼一部長)と説明。加点は県と災害協定を締結する団体に限定しており、団体に加盟していない企業に対する公平性をはじめ、年間を通じての加点が入札制度に与える影響を考慮して0・2点にとどめた。
県によると加点措置は「土木一般」の工種のみ。前年度に団体は、各会員が保有する資機材を県の各発注機関に報告し、認定業者を決める仕組み。
これに対し県建協は「CPD(継続学習)の1点に比べても評価が低い。協定の重みを考えてほしい」と訴えて、加点に上積みを要求し折り合いはつかなかった。
若手の育成と活用を支援する入札制度では、県が年間に数件を選定して40歳未満の若手に加点したり、配置技術者の工事成績は評価しない案を提示。併せて、今年度の優良建設工事から「若手優良技術者表彰」の創設を検討している考えを示した。
県建協は「技術者の中途採用が多く、引き抜きもある」「(定期採用している)大手の業者が有利になる」といった意見を投げ掛け、議論はまとまらなかった。
このほか調査基準価格について、県建協は「予定価格のおおむね92%といった説明だったが、大半は92%以下」と指摘。県は「昨年12月、算定式を2年前に戻したが、どの辺りに違いがあるのか調べてみたい」(県土総務課)と答えた。
また、災害復旧工事の入札不調対策で、県は▽すべての災害復旧工事に受注額を計上しない▽1回目の入札で応札者がなかったり、予定価格超過になった場合は、2回目以降の入札では受注減点しない―の2パターンを提案。年度途中からの対策は不公平感を生むことから、来年度からの実施を予定している。
対策案に対し、県建協側は「即答できない」(山根敏樹会長)とし、持ち帰って協会内で意見をまとめる意向を示した。
日刊建設工業新聞