県建設工事等入札契約審議会(会長・谷口朋代鳥大院工学研究科教授)は9日、みたこ土建(米子市)から出された工事成績に対する不服申し立てを審議し、県が申し出の一部に修正を認めるなどした対応措置を適当と判断した。これを受けて、県は新たな工事成績を同社に通知する。
申立人の同社が不服を申し出たのは、今年1月に完成した街路葭津和田町線橋梁下部工事(P1橋脚)。鋼管ソイルセメント杭の施工管理に関し、主に5項目に異義を申し立てた。工事成績は82点。
このうち県は3項目について、申し立て内容に理由が認められるとして修正を受け入れ、他2項目は棄却が妥当とし、入契審に意見を求めた。
争点は県が訴えを棄却すべきとした、セメントミルク注入の施工管理。県は施工計画書と協議書に記載してあった掘削速度などの具体的数値がチェックシートに記載されていなかったと主張。これに対し、申立人は「杭基礎施工便覧」に基づいて施工しており、機械データの「施工結果図」によって掘削速度や吐出量の確認は可能だと訴えて両者が対立した。
入契審は県の棄却措置を認めた上で「(両者の)コミュニケーション不足が否めない。チェックシートの内容を相互で話し合っておくべきだった」(谷口会長)と指摘し、付帯意見を付けた。
もう一つの論点になった不可視部分の出来ばえ評価では、入契審は県が棄却すべきとした措置を「現在の基準上、やむなし」と支持。ただ「現状評価のやり方は見直した方がいい」と付け加えた。
この結果、県は申し立てを認めた3項目で「施工管理」の評価を見直し、工事成績を83点に上方修正して申立人に通知する。また、現場では申立人のほか3社が同種工事(A1、P2、P3)を施工しており、県は今回の審議結果を踏まえ、他3工事についても評価をやり直す見通し。
日刊建設工業新聞