滋賀県商工観光労働部は、「信楽窯業技術試験場」の移転、新設工事について、現在、設計をキタイ設計で進めており、年度末までに業務をまとめ、甲賀市と調整を行い来年度早々の工事発注を目指す。
新設予定地は、国道307号から陶芸の森方面へ約100b入った民有地で、ここを甲賀市が買い上げ県が新試験場を建設後に現在の試験場がある県有地と交換する。民有地は甲賀市が今年度に取得・建物解体。県はこの敷地を使って20年度から2ヵ年で建物を建設し、22年度からの供用開始を目指すとともに、供用開始後に既存施設の解体撤去を行う段取り。新しい施設の建物規模は、試験分析機器や試作装置の効率的な配置により、現在の延床面積の半分程度まで縮小し、約1600平方b程度となる見通し。整備される棟は焼成棟、調土棟、そして本館棟―以上3棟の予定で、本館棟のみ2階建、焼成棟、調土棟は平屋建となる。県は、信楽観光の玄関口として多くの人々が訪れる地理的優位性を活かし、陶芸の森や甲賀市との連携による機能発揮と新たな取組を期待している。
現在の信楽窯業技術試験場は、甲賀市信楽町長野498に位置し、66年(昭和41年)に建設。敷地面積7561平方bで、ここに▽本館・RC造2階建、延608平方b、▽開放試験室及び試作成形室棟・RC造2階建、延576平方b、▽固形鋳込成形室棟・RC造平屋建、91平方b、▽肉厚大物乾燥室棟・S造平屋建、63平方b、▽調土室棟・RC造2階建、延698平方b、▽第1焼成室棟・S造平屋建、612平方b、▽第2焼成室棟・S造平屋建、201平方b、▽その他(車庫、電気室等)延395平方b―等が整備されている。
業務は製品試験などの技術支援や窯業技術者の研修、技術開発など。老朽化から当初は現地建て替えが検討されたが、地元などから陶芸の森と連携を強めることで、商品開発力や情報発信力が高まるとして、同森近辺の移転が要望されていた。
なお、概算事業費の内訳は、調査・設計費(基本・実施・地盤調査)が4000万円、建築設備費(建築工事・電気設備・機械設備・工事監理)が7億4000万、移転・解体費(設備機器移設・解体工事)が2億1000万円―以上の計9億9000万円。
提供:滋賀産業新聞