県農林水産部は、今年2月の融雪災害で斜面が幅約60b、法長が最頂部で約100bにわたり崩壊した鳥取市河原町北村にある林道赤井谷線の災害復旧計画をこのほど固め、19日から20日にまで実施される災害査定に復旧費として2億円近くを申請する。同部では、査定決定を踏まえ、早急に対応する考え。
県が管理する延長約2`、幅員3・6bの赤井谷線は、2017年の台風21号で鳥取市河原町北村の渓流に架設している延長5〜7bの小規模な床版橋4橋が土石流で被災したほか、斜面崩壊があったため、災害復旧工事に着手したが、18年の台風24号増破。さらに、今年2月の融雪災害で災害復旧工事の切土中に比較的大規模な斜面崩壊があり、林道に崩壊土砂が流出したため、工事を中断し、抜本的な災害復旧対策の見直しが検討されていた。
工事を担当する県東部農林事務所八頭事務所はこれを受け、法面対策の調査・設計業務をアイコンヤマトに委託して、対策工法を決めるとともに、同部でも6月補正予算に県営林道災害復旧費として4億4000万円を計上し、19〜20年度で計画している復旧工事に備えていた。比較的な大掛かりな災害復旧工事となるため、本査定に向け、これまで復旧計画について林野庁と財務所との事前協議を行った。
これまでに固めた復旧計画では、法面対策として、下段(法長約30b)をアンカー工(77本)、吹付法枠工(約1200平方b)、鉄筋挿入工(36本)を施工し、斜面崩壊の拡大を防ぐため、上段(中段を除く)の約1300平方bに簡易吹付法枠工を施す。また、橋梁については、17年災で被災し、手つかずとなっている3号橋(床版橋)の上部工を復旧する。
日刊建設工業新聞