徳島県は12日、新たに130億6638万円を追加する一般会計9月補正予算案を明らかにした。補正後の予算総額は5076億7038万円となる。本予算とした6月(肉付け)補正予算に続き、県が重要視している「災害列島」と「人口減少」という二つの国難打破(対策)に向け、切れ目ない施策展開を加速させていく。また、債務負担行為限度額10億円(ゼロ県債)を設定しており、9月補正予算の規模としては140億6638万円(141億円)になるとした。19日から開会の県議会定例会に上程する。
施策別の配分は「災害列島」対策に89億7000万円(ゼロ県債含む)、「人口減少」対策に8600万円、財政健全化の推進(財政調整基金積立金)に50億円−など。
「災害列島」対策では、国の3か年緊急対策に呼応した県土強靱(きょうじん)化のさらなる加速を図る。このうち公共事業費は88億6900万円(追加補正78億6900万円+ゼロ県債10億円)。15カ月予算とした当初予算の892億円から累計で981億円(ゼロ県債含む)となり、14カ月予算とした18年度予算(773億円)の1・26倍、17年度予算(645億円)の1・52倍となっている。
公共事業費の補正額の内訳は、国直轄負担金が12億0900万円、一般公共(補助)・県単公共が66億6000万円。大規模災害を迎え撃つ県土強靱化を推進する。また、ゼロ県債は、建設現場の働き方改革を推進するためのもので、繰越明許費278億2100万円とゼロ県債の早期設定により、適正な工期の確保と施工時期のさらなる平準化を推進し、週休2日制の導入や長時間労働の是正を図ることにしている。
一方、「人口減少」対策には、革新創造とくしまの実装に1700万円、魅力感動とくしまの実装に6900万円をそれぞれ配分。5Gを見据えた情報発信に関する事業を展開する他、あわ文化・スポーツレガシーの創造と継承、にぎわい創出・魅力感動とくしまの推進などを図る。特に、阿波文化・スポーツレガシーの創造と継承では、「県立博物館新常設展構築事業」に本年度から3カ年で取り組むための事業費(継続費等)を措置した他、にぎわい創出・魅力感動とくしまの推進では、「徳島 木のおもちゃ美術館(仮称)整備推進事業」に新規着手するため、基本構想策定に必要な予算などを盛り込んでいる。
主な事業別予算額は次の通り(▼は新規)。
▽公共事業費−88億6900万円(国直轄負担金12億0900万円、一般公共(補助)・県単公共66億6000万円、ゼロ県債10億円)
▽警察署再編整備事業(阿南警察署と那賀警察署の統合により那賀庁舎を県内初の幹部交番化。南部地域における災害時の活動支援拠点として災害装備資機材等の充実を図る)−1221万円
▼県立博物館新常設展構築事業−400万円(19〜21年度継続費総額13億円)
▼「徳島 木のおもちゃ美術館(仮称)」整備推進事業(基本構想策定)−1100万円
提供:建通新聞社