高松市は、高松城天守復元に向け、歴史的建造物の外観を忠実に再現しつつ、内部構造のみ一部変更して再現する「復元的整備」を目指す。市議会において大西市長が方針を示した。
市では、これまで天守復元を目指し資料収集を行ってきたが、内部の状態が分かる資料が発見されておらず、文化庁の史跡などにおける現状変更の許可が得られていない。このため、天守復元に必要な内部の状態が分かる古写真や設計図面などを、懸賞金を懸け募集するなどしていた。一方、文化庁では史跡などにおける歴史的建造物の復元の在り方に関するワーキンググループを設置、8月に天守などの復元の在り方について取りまとめている。
国の史跡に指定されている高松城跡には、江戸時代の木造建造物である月見櫓(やぐら)や艮櫓(やぐら)などが現存し、国の重要文化財に指定されているが、城の中核である天守については1884年に老朽化に伴い取り壊された。天守は3重4階で最上階が下の階より張り出した南蛮造り(唐造り)。
提供:建通新聞社