横浜市は休止中のごみ焼却施設「保土ケ谷工場」を再整備する。稼働中の4工場のうち1工場が2028年度ごろに寿命を迎えるためで、保土ケ谷工場を再整備することで年間88万dに上るごみの処理体制を維持する。19年度の地域説明、20〜23年度の整備計画策定・生活環境影響調査・事業者選定を経て24〜28年度に工事を進め、29年度の稼働を目指す。
再整備する保土ケ谷工場の所在地は保土ケ谷区狩場町355(敷地面積約6f)。1975年3月〜80年6月に建設したデ・ロール式焼却炉(400d×3基)で日量1200dの処理能力を持っていたが、ごみの減少を受けて10年度に休止した。現在はごみの中継輸送基地となっている。
一方、稼働中の工場は▽都筑工場(日量1200d、84年4月供用)▽鶴見工場(日量1200d、95年4月供用)▽旭工場(日量540d、99年4月供用)▽金沢工場(日量1200d、2001年4月供用)―の四つで、供用開始から25年程度でプラント改修(長寿命化)を実施して、10年程度延命化した後に建て替える。
このうち長寿命化を巡っては17年度に都筑工場の工事を終え、18〜22年度で鶴見工場の工事を行う。
ただ、最も古い都築工場が28年度ごろに寿命を迎えて建て替えに着手すると、残りの3工場ではごみ処理が難しくなる。このため、新しい工場の整備に向けた基本構想をパシフィックコンサルタンツ(横浜事務所、横浜市西区)に業務を委託して練っていた。
保土ケ谷工場の再整備では、ごみ焼却の熱を利用した発電電力のさらなる活用や、IoTなどによる高効率オペレーション、環境学習などの交流拠点化に取り組む見通し。市の中期4か年計画(18〜21年度)では21年度に新しい工場の整備計画を策定することになっていた。
提供:建通新聞社