国土交通省は、高速道路の安全性や信頼性の向上に向けた整備方針として「高速道路における安全・安心基本計画」(案)をまとめた。おおむね10〜15年間で有料区間にある暫定2車線区間を半減することを目標とした。このため、特に課題の大きな延長約880`を優先整備区間に選定。この他、自動運転に対応した道路空間の整備や、事故多発地点での集中対策、逆走対策などを計画案に盛り込んだ。先行して解消すべき暫定2車線区間は、有料で供用している対面通行の暫定2車線区間約1600`から選定。今後、財源確保の状況を踏まえながら順次事業化していく。
四国の関係では▽徳島道川之江東JCT〜井川池田間(対面通行区間延長・19`)▽同井川池田〜吉野川SAスマート3`▽同吉野川SAスマート〜美馬11`▽同美馬〜脇町5`▽同脇町〜土成8`▽同土成〜藍住9`▽松山道松山〜伊予7`▽同伊予〜内子五十崎15`▽同内子五十崎〜大洲3`▽同大洲北只〜西予宇和13`▽今治小松道路いよ小松JCT〜いよ小松北1`▽同いよ小松北〜東予丹原3`▽同東予丹原〜今治湯ノ浦7`▽西瀬戸道西瀬戸尾道〜向島4`▽西瀬戸道向島〜因島北4`▽西瀬戸道因島北〜因島南3`▽西瀬戸道因島南〜生口島北2`▽西瀬戸道生口島南〜大三島3`▽西瀬戸道大三島〜伯方島7`▽西瀬戸道大島南〜今治北4`▽高知道土佐PAスマート〜須崎東8`―の約139`を選んだ。
また、4車線化の完了までは時間がかかるため、対面通行区間の当面の緊急対策としてワイヤロープを設置する。土工部を対象に、全国で23年度内、高速道路会社の管理区間では21年度内に設置をおおむね完了させたい考え。
計画案には、この他、自動運転への対応も盛り込んだ。自動運転車両によるトラックの隊列走行では、隊列の形成・解除拠点として、専用の物流拠点の整備手法を検討する。合流部の安全対策や、走行空間の構造や管理に関する仕様・基準も検討事項としている。自家用車についても、高精度3次元地図の基準点整備など、インフラ側からの走行支援の在り方を考える。
事故多発地点での集中対策にも取り組む。死傷事故率が平均の2倍以上の約300カ所を対象に、凹凸のある路面標示や薄層舗装などを施す。
逆走対策では、地点ごとに民間企業から公募した新技術を活用。29年までに逆走による重大事故をゼロにするとの目標を掲げている。
さらに、災害時にもネットワーク機能を確保するため、18年の重要インフラ緊急点検の結果を踏まえ、法面対策や耐震補強を推進。休憩施設の計画的な防災機能強化に取り組む。
同計画を踏まえ、高速道路会社が事業化書や、整備手法を盛り込んだ「安全・安心実施計画」を作成する。
提供:建通新聞社