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滋賀産業新聞
2019/09/12

【滋賀】栗東市 火葬場建設検討委が市長答申

 栗東市の諮問を受け火葬場に関する整備方針等を検討してきた「栗東市火葬場建設検討委員会」(野正勝委員長)は10日、市役所において野村昌弘市長に「市民の7割が利用する草津市営火葬場が建て替えを必要としており、高齢化による需要増が見込まれることから、火葬場の整備が必要」「草津市と2市による広域行政を推進し、スケールメリットを活かした効率的・効果的な火葬場の共同整備を進め、共同運用で将来にわたり質の高いサービスを」と答申を行った。また「整備にあたっては民間事業者の資金やノウハウ等の導入を検討し、整備費用や維持管理経費の縮減に努めること」と求めた。
 答申を受け野村市長は「頂いた答申を元にしっかり検討し栗東市としての方針を固めたい」と回答。今後、9月市議会をメドに方針を示す見通し。市が草津市と共同で火葬場を整備・運営すると決定した場合、所有の市営火葬場の容量が25〜26年度頃には限界に達するとみられ整備を急ぐ草津市にスケジュールを合わせ、20年度予算にも事業費を措置し基本構想のコンサル委託など事業実施の運びに。早急に用地の選定に入り20年度末には場所を決定、21年度にも環境アセスメントや法整備とともにPFIを行う場合は実施方針の決定・公募から選定など、23年度にも施設整備着工まで進める必要がある。
 18年度の基礎調査結果に基づき栗東市が火葬場を「単独で設置する」「草津市と共同設置・広域運営」「設置しない」―の3つの方策から最適な方針、また公設公営・公設民営・PFIなど適切な事業手法について提言する目的で設置された検討委員会は8月末まで計3回の会合を終え、「草津市と広域で共同で火葬場を設置」「財政負担が少なく、民間のノウハウを活用できるPFIなどの手法を検討すること」―との答申案を承認していた。
 火葬場を持つかについては約15年前の検討で「財政負担が大きく市単独では持つ必要はない」との結論が出ているが、長期間が経過したことから、最新の諸情勢のもと再度検討するため、18年度に基礎調査を行った(担当=パシフィックコンサルタンツ・大津市)。
 基礎調査によると火葬場の無い栗東市民は過去5年間平均で68%が近隣の草津市市営火葬場、27%が野洲川斎苑(守山・野洲広域行政)を利用。17年度404人だった近隣火葬場利用件数は高齢化や介護データから65年には年間857人の利用ピークに達し、1基あたり1日2・5件の稼働とすると2市共同整備の場合ピーク年の65年には7基の炉数が必要で、単独の場合必要な栗東市4基、草津市6基の計10基より少なく、整備費用の縮減が図れ効率的に火葬場を整備できるとの試算を提示している。
 栗東市住民の多数が利用している草津市営火葬場(東草津4丁目3―27)を運営する草津市は、老朽化や近い将来の炉不足が予測され、今後のあり方の検討材料となる基礎データ収集をはじめ調査業務を18年度完了、19年度は栗東市が進めている火葬場に係る検討の方向付けを待ち、前提条件を決めた上で詳細の検討を進めていきたいとしている。

提供:滋賀産業新聞