福井地区建設業会(坂川進会長)のCPDS認定講習会「建設業の力を活かした地方創生」が3日開かれた。会場は、福井市城東4丁目の同会館で。
会員企業のトップや社員ら約60人が、経営管理能力と技術力アップを図る一環で参加し、熱心に聴講した。
冒頭、坂川会長が挨拶。国が進める国土の強靭化政策を示しつつ「地域の安全安心を担う我々建設産業の再生や飛躍こそが不可欠」と強調した。
講師は慶応義塾大学先導研究センター特任教授の米田雅子氏が務め、東日本建設業保証福井支店が共催した。
米田氏は、地域格差が広がり、人口減少が続くなか、産業と雇用の創生が日本における重要課題と指摘。建設業の力を活かした地方創生について、先進事例を紹介し可能性と課題について解説した。
福島県大沼郡三島町の佐久間建設工業では、地域を支える複業会社として、地域おこしのリーダー役を担う。古民家再生や、IT企業誘致による自然エネルギー研究会、温泉施設つるの湯経営など幅広い事業を一括共同受注して地域貢献する取り組みを紹介した。
また、島根県隠岐郡海士町の飯古建設は、隠岐牛の肥育や、定置網漁業、産廃処理、生コン製造販売など、まちおこしの中心企業を担う役割を紹介。
その上で氏は、地域建設業の役割として3点を挙げた。インフラの町医者を目指し、複業で雇用を創出する地域の総合産業で、老朽化する社会インフラを点検し維持する地域の町医者であり、災害が多発する日本列島の地域防災の最前線でもある点を強調した。
質問にも応じ「人(他地域の)まねはよくない。地域ごとに必要なもの、合った事業を考えるべき。補助金に頼らず、覚悟を決め、まずは自分の足で立ってみて」と呼びかけた。
閉会挨拶は、前川興太郎企画委員長が述べ、締めくくった。