石川県議会9月定例会は6日に開会し、谷本正憲知事が最近の県政状況と、諸議案の提案理由を説明した。
金大工学部跡地(金沢市小立野2丁目)で整備する新たな県立図書館について、谷本知事は「来月、建設工事に着手し、令和3年度中には建物の工事を完了させたい」との考えを示した。また、現図書館の約5倍のスペースを確保する児童エリアは「遊び場を思わせるような閲覧空間とし、子育てに関する大人向けのコーナーも配置するなど、親子が共に楽しめる場にしたい」と述べ、ハード・ソフト両面において「様々な工夫を凝らしながら着実に整備を進めていく」と強調した。
来年7月から9月にかけて開催される東京オリンピック・パラリンピックを見据え、誘客拡大の好機と捉えて現在、整備中の金沢港クルーズターミナルは「今月末には建物の外壁工事を終えるなど、来年3月の完成に向け工事が順調に進んでいる」とし、国立工芸館は来年度国家予算の概算要求で「移転後の運営費や開館を記念する特別展の開催費など、東京オリンピック開催前の開館に向け、必要な経費が盛り込まれた」と語った。金沢城公園の鼠多門・鼠多門橋もオリンピック開催前の完成に向け、鋭意、復元整備を進めていく。
金沢城復元の総仕上げともいえる「二の丸御殿」にも触れ、7月から遺構の分布調査を開始するなど、復元を前提とした調査を実施していることや、文化庁と協議を行いながら、史跡である金沢城の保存・活用のマスタープラン『金沢城保存活用計画』の策定作業を進めていると明かした。
広域道路ネットワークの整備については、『ダブルラダー輝きの美知』構想に基づき、「のと里山海道の4車線化、金沢外環状道路海側幹線、加賀海浜産業道路などの幹線道路の整備を促進している」とし、珠洲道路の能登町太田原地内で整備中のゆずりレーンは「国の追加認証を得て工事を加速させ、来年11月末までに完成供用できる見込み」と述べた。
本会議の開会前には、議場内で永年勤続議員表彰式及び知事感謝状贈呈式が行われ、35年勤続の稲村建男議員の功績をたたえた。