石川県は、金沢市と連携して都心部に設置する「県金沢中央観光情報センター(仮称)」について、19年度9月補正予算案に設計・工事費として総額2億円(同市負担分含む)を計上した。
北陸新幹線の金沢開業から5年目に入ったが、新幹線利用者数は開業前の約3倍となる高い水準で推移。観光入込客も増加するなど、開業効果は今なお持続している。また、来夏には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、更なる誘客拡大のチャンスが到来することから、この機を逃さずに観光魅力を発信するため、県市が連携して新たな観光案内所をまちなかに整備する。
計画によると、開設場所は加賀百万石回遊ルートと、ホテルの建設ラッシュが続く国道157号の結節点に位置する金沢ニューグランドビル(同市南町地内)の1階部分で、旧新生銀行金沢支店の入居スペース跡・床面積約715平方メートルを金沢ニューグランドホテル側から借り受ける。
外観は紅殻色を基調とした格子風で、風情ある「和」の雰囲気を表現。観光案内所であることが一目で分かるよう、日本語・英語に加え、世界共通のサイン(ピクトグラム)で表示する。角地の立地を活かして面する2つの通りに出入口を設置し、ガラス張りとすることで外から中の様子が見え、観光客らが入りやすいように配慮。国道側壁面には大型モニター2基を配し、観光魅力を紹介する動画(外国語字幕対応)を放映する。
内部については、格子柄や加賀五彩で彩った和の空間を演出し、まち歩きの疲れを癒してもらうため、休憩スペース、多目的トイレ、授乳スペースを整備。観光案内の機能面では旅行者の興味、関心に合わせ、観光相談から提案、手配に至るまで一連のサービスをワンストップで提供。英語が堪能なスタッフも配す。加えて、外国人を中心に本県ならではの伝統工芸や、文化の体験を求める相談が数多くあったことから、金沢駅では提供していない、伝統工芸・文化が体験できる専用コーナーを設ける。
基本計画等は松田平田設計が担当した。
谷本正憲知事は先の記者会見で、「概ねの機能が固まったことから設計・工事費を計上。来年春のオープンに向け、速やかに改修工事に着手したい」と語った。