神奈川県企業庁は、早戸川上流地点の小水力発電施設整備に向けた検討を進めている。基本設計は日本工営(東京都千代田区)、測量調査は三計(相模原市緑区)、地質調査はソイル・エング(横浜市戸塚区)が担っている。2020年度以降は実施設計や用地測量、用地取得などを実施。工事期間は22〜23年度となる見通し。
再生可能エネルギー活用の一環として、宮ケ瀬ダム上流の早戸川で小水力発電を導入する計画。同河川下流部に完成した早戸川発電所に次ぐ施設となる。整備予定地は相模原市緑区鳥屋地内。
現時点の計画では、魚止砂防堰堤下流を発電所予定地点、伝道堰堤上流を取水予定地点とする考え。この間を導水路で結ぶ。年間発電電力量は、一般家庭約800世帯分の使用量に相当する約250万`h/時。最大出力は約500`hとしている。
20年1月31日を履行期限とする基本設計では、発電施設や取水施設、導水路といった主要施設に関する構造検討を行う。水車発電機の型式検討、概算事業費の算定なども行うことにしている。
機械ボーリングや原位置試験、弾性波探査、解析調査など行う地質調査と、河川測量などの測量調査はいずれも12月27日を履行期限としている。
同発電所については当初、他の地点(蛙沢砂防堰堤地点)を建設予定地とし、年間発電電力量約400万9000`h/時、最大出力700`hの能力を持つ施設を計画していた。しかし、建設コストなどに関する課題が明らかとなったため、建設予定地や整備方法の見直しに至った。現時点での計画は、18年度に実施した計画可能性調査に基づくもの。
提供:建通新聞社