京都市は、地球温暖化対策条例の見直しに向け検討を開始した。令和2年9月市会への条例改正案の提出を目指す。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)総会が5月に京都市で開催され、これを記念したシンポジウムで発表した「1・5℃を目指す京都アピール」を踏まえ、2050年に二酸化炭素排出量正味ゼロの実現を目指し、7月30日に「長期目標として2050年に二酸化炭素排出量正味ゼロを実現するための地球温暖化対策条例の見直し及び次期地球温暖化対策計画の策定に係る重点的に取り組むべき分野及び具体的な対策の方向性」について、市長が環境審議会に諮問した。環境審議会の部会として地球温暖化対策推進委員会(委員長・仁連孝昭滋賀県立大学名誉教授)が設置され、8月30日に初会合が開かれた《=写真》。
地球温暖化対策推進委には、地球温暖化対策評価研究会と京都気候変動適応策の在り方研究会のワーキンググループを設置。地球温暖化対策評価研究会は、条例に掲げる義務規定(事業者排出量削減計画書制度、建築物排出量削減計画制度等)の点検など地球温暖化対策の評価及び温室効果ガス排出量削減シナリオの検討等を調査・審議する。京都気候変動適応策の在り方研究会は、京都における適応策の在り方や施策の進め方及び気候変動適応法で地方公共団体の努力義務とされている「地域気候変動適応センター」の確保等の検討(京都府と合同で開催)を行う。
検討にあたっての主な論点は、@長期目標としての「2050年二酸化炭素排出量正味ゼロ」、2030年度の目標の設定(現行は1990年度比マイナス40%)A各主体が担う役割の明確化(京都市として可能な最大限の取組の検討など)B重点取組(ア・2030年を見据えた検討事項(▽新たな再生可能エネルギー普及施策の構築▽家庭部門、建築物等の対策強化)、イ・2050年を見据えた検討事項(▽新たなライフスタイルの創造・普及、担い手の育成、イノベーション、地球温暖化対策と経済成長の同時推進、継続的な取組の進化など))。
今後は、令和2年2月頃に条例見直し骨子案の検討、4月頃に次期計画骨子案の検討を行い、5月頃に条例改正案の答申、条例改正案のパブリックコメントの実施、9月頃に改正条例案の市会への提出、次期計画案の答申、次期計画案のパブリックコメントの実施を行い、令和3年3月に次期計画を策定する予定。