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建通新聞社(中部)
2019/09/02

【愛知】名市 建替も適用 高級ホテル誘致補助制度

 名古屋市観光文化交流局は8月30日、高級ホテル誘致を目的とした最大10億円(愛知県を合わせると最大20億円)の新たな補助制度について、補助制度概要案を明らかにした。市内既存ホテルの建て替え、または既存ホテルを解体して別ブランドのホテルが立地する場合にも適用する考え。市の説明によると、名古屋駅周辺地区〜栄駅周辺地区で7カ所程度の適地があると見込んでいる。一方、今回の制度案は、ハード面のみを条件とし、ホテルのブランドは重視していない。制度概要案が説明された市会経済水道委員会では、この点に質問が集中。同局は国際会議の誘致を進めるためにハード面の設備水準を備えたホテル誘致を優先させる考えを示した。
 対象は▽客室平均面積45平方b以上▽客室150室以上▽スイートルーム設置、室数は総客室数の5%以上、おおむね100平方b以上の部屋の確保▽バンケットルーム設置(1000平方b以上を設置する場合は、客室数は100室以上に緩和)▽専用の車寄せ▽複数のレストラン、スパ・フィットネス施設、バー・ラウンジ▽バレーパーキングサービス、コンシェルジュデスクの設置―の全ての条件を満たす必要がある。
 補助対象経費は、土地を除く固定資産取得費用で、補助率は10%。限度額は1件当たり10億円(県市合わせて最大20億円)。支払いは10年間分割払い。
 制度は2020年度から3年間(22年度まで)とし、20年4月に受け付けを開始する。
 制度導入に合わせて、住宅都市局では「宿泊施設の整備に着目した容積率緩和方針」を改定する方針。容積率緩和を現方針(宿泊施設床面積相当分の容積率割り増し)の2倍相当分まで緩和し、他の用途での使用ができる面積を拡大して、高級ホテルの導入を促す。
 市の説明では、横浜市と同水準のスイートルーム(100室程度)を確保することで、APECなどの大規模な国際会議の誘致が可能となるとしている。同水準を確保するには3件程度、高級ホテルを誘致する必要があるとみている。

提供:建通新聞社