産官学による建設分野担い手確保・育成連携協議会(会長・山田和成県建設技術センター代表理事)は5日、今年度に計画している各施策の取り組み状況を確認。急速に進行する少子化を念頭に、小・中学生の早い段階で建設産業に対し理解を深めてもらう対策に力を入れることを決めた。
協議会では人材確保と育成、生産性の向上に情報発信を組み合わせて鳥取型の建設生産体制の構築を目指しており、地域の発展を支える建設産業を次世代に引き継ぐ。
今年度の事業には、新たにNPO「ツナガルドボク」との連携を盛り込み、大学生の県内就職者数を増やす。さらに、今年4月には女性技士会を中心に「女星ネットワーク」を設立。県内各地で「けんせつ絵本お話会」を催し、地域に溶け込んだ活動を推進している。
また、既就職者の資格取得支援策の一つ、1・2級土木試験対策講座では、受講者の合格した割合が全国の合格率を上回る(18年度実績)など成果が得られた。
会合では県内高校生の建設業への就職状況に着目。17年は全体130人が入職しており、土木系学科以外の普通科出身の生徒(うち22人)も目立った。人口減少を背景に中学校の生徒数は少なくなっており、高校学級数の再編も予想される。このため、小・中学生を対象に建設業の職域教育に取り組む方針を確認した。
会合には鳥取大学や県教委、県測協、商工労働部、県土整備部から委員8人が出席。山田会長は、6月に成立した品確法を含む新担い手3法を踏まえ「働き方改革など新しい時代に合った課題に対応して建設産業を継続させていかなくてはならない」と訴えた。
日刊建設工業新聞