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建通新聞社(中部)
2019/08/28

【愛知】名古屋市民会館 建替前提の議論申し合わせ

 今後の名古屋市民会館に期待される役割や必要な規模・機能について話し合う、有識者らによる「市民会館の整備検討懇談会(座長=黒田達朗・椙山女学園大学教授)」の第2回会合が8月23日、名古屋市内で開かれ、建て替えを前提に議論を進めることを申し合わせた。
 前回の会合では、整備手法について、移転または現地建て替えとした場合、大規模改修よりも設計の自由度が高く、民間活力の導入で整備費負担の軽減が期待できるなどの効果を挙げていた。
 冒頭、黒田座長は「ちょっとした改修、修繕でどうにかなる施設ではない」と述べ、今後、建て替えを前提に意見を求めるとした。
 第2回会合では、▽市民会館の整備にかかる検討課題の整理▽文化芸術を取り巻く環境の変化▽ホールの類型▽ホールを核としたまちづくりの事例―について意見を交わした。
 施設整備に関して委員からは、「主目的ホールというと一般にクラシックホール、オペラをイメージしがちだが、実際に利用しているジャンルはポップスが多かったりする。どのジャンブルに主眼を置いて整備するのか」といった意見が出た。
 対して事務局側(名古屋市)は「専門ホールにしてしまうと他のジャンルが使いにくくなる。実態を踏まえ軸足をどこに置くか決めていきたい」と答えた。
 周辺のまちづくりについては「金山駅を起点とした回遊性やインスタ映えするようなランドマーク的なデザインが大切」といった声が上がった。
 既存の市民会館の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上6階建て延べ2万8245平方b。フォレストホール(大ホール、2291席)とビレッジホール(中ホール、1146席)をはじめ、リハーサル室、会議室などを備える。1972年に完成し、設備の老朽化やバリアフリー機能の不足が著しく、周辺のまちづくりと歩調を合わせ建て替える方向。所在地は名古屋市中区金山1ノ5ノ1。
 有識者の懇談会は今後、年内に2回程度会合を開き、新たな市民会館の在り方・将来像、規模・機能の方向性をまとめる。

提供:建通新聞社