福井県経済団体連合会と福井県商工会議所連合会が共催する第13回「福井県経済界サマースクール」は21日開かれ、かねて問題視するエネルギー政策等を前面に、改めて会員企業のトップら約160人で考え合い、進むべき道を探った。坂井市三国町黒目のセンチュリオンホテルで。
まず主催者を代表し、川田達男会長が挨拶。メインテーマを「日本の問題、日本の矛盾」と設定した理由を示し、最大の課題は「人口問題(少子高齢化)で、年金問題や人手不足などにも通じるが、危機感が足りない」と指摘。日本の将来に遺恨を残しかねない重要な課題にもかかわらず、政治的にも放置される現状の直視をうながした。
講師には5氏を招き、それぞれ特別講演。一人目は経済産業省事務次官の安藤久佳氏が務め、中小企業にとり事業承継は喫緊の課題で「これまでの10年と今後の10年は切迫感が全く違う」と事態の深刻さを指摘。中小企業の廃業急増(今後10年間)で、累計約650万人の雇用が失われる危険性などを示した。
またトヨタ自動車の前社長、渡辺捷昭氏がリーダーの心得を説き、「走れば走るほど空気(環境)が奇麗になるクルマを目指したい」と、さらなる目標を語った。続く講師陣が、グローバル社会を生き抜くコミュニケーション力や、人生100年時代の金融、2050年のエネルギー産業に関して提案した。