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建設経済新聞社
2019/08/23

【京都】七瀬川付替と遊水地本体工事 概算約9億、9月上旬公告へ ポンプと広場は令和4年度に

 京都市は、七瀬川河川改修工事について、河川付替工事と遊水地本体工事について、9月上旬に入札公告する予定。10月下旬に仮契約し、11月市会に工事請負契約締結案の提出を目指す。その後、令和2年1月頃に工事着手する見通し。概算事業費は約9億円を見込む。
 4月公表の今年度の年間発注見通しによると、七瀬川遊水地整備工事は総合評価を採用し、第2四半期に発注。工事概要は工事面積5000u、遊水地整備一式。工期は40ヵ月。概算額区分は4億円以上WTO対象未満。JVの可能性有り。
 このほかでは、ポンプ設備及び広場の工事を令和4年度に工事を行う予定で、概算事業費は約2億円を見込む。
 河川事業の七瀬川(伏見区竹田狩賀町(東高瀬川合流部)〜伏見区深草大亀谷東久宝寺町(遊水地))は、延長1095m、幅員W10・8m〜15・7m。
 概ね10年に一度の確率の降雨に対応できるよう、これまで整備を進めてきており、その一環で河川の付替えと遊水地の整備を行う。これにより、集中豪雨による河川の増水時に七瀬川の流量を最大で2割以上低減することができ、下流域の治水安全度が格段に向上する。
 今回、大岩街道沿いの伏見区深草大亀谷東久宝寺町他に貯留量約1万1000m3の遊水地(面積約3000u、深さ約5m)を整備。七瀬川の河道を付け替えてショートカットする。付替河川整備延長約130m。
 遊水地は、河川の増水時にのみ水を貯留する施設。平常時は有効活用するため、流入口となる西側半分を除く東側半分の約1500uを広場としての機能を併せ持つよう整備する。遊水地の周囲は転落防止用の柵で囲う。道路から広場までは階段や斜路(スロープ)を設ける。
 遊水地の底(広場と減勢池)は大岩街道から最大5m程度低くなる。洪水時には七瀬川の水が越流堤から遊水地内に流れ込む計画。
 市は平成28年度に用地買収を完了。平成29年度に地下水位観測調査(担当はアースプロジェクト)、遊水地詳細設計(担当はニュージェック)を進めるとともに、水理模型実験を行い施設の安全性などを確認した。平成30年4月と6月に地元説明会を開催した。なお遊水地の整備において、京都市立京都工学院高等学校の生徒が、コンピューターグラフィックスを用いた3D−VR(仮想現実)により、完成イメージを作成し、地域社会への参加促進として、同校生徒が地元説明会にも臨んだ。