神奈川県住宅供給公社がまとめた第3次中期計画(2019〜20年度)によると、一般賃貸住宅の今後の建て替え対象として「弁天通3―2」「栗田谷団地」「横浜井土ケ谷共同ビル」などが挙がっている。2023年度までに五つの団地などが竣工を迎える予定。建て替え対象以外の団地については、建物の長寿命化や断熱性能の向上に努める方針だ。
中期計画が掲げる目標は、年間経常利益20億円以上を毎期達成、資金借り換えによって20年度末までに県損失補償残高(18年度末残高354億円)を解消など四つ。これらを達成するため、老朽化した団地の建て替えや、商品性を維持・向上させる修繕といった再投資を通じ、賃貸資産を適切に維持・更新するとしている。
具体的な取り組みのうち、一般賃貸住宅などのストック活用としては、市場性が高い団地を中心に建て替えを進める。
着工中・着工予定として挙げたのは、▽竹の丸団地(横浜市中区竹之丸、再編、19年度竣工予定)▽不動が丘8・9号棟跡地(川崎市高津区上作延、建て替え、20年度竣工予定)▽横浜井土ケ谷共同ビル(横浜市南区井土ケ谷中町、建て替え、22年度竣工予定)▽栗田谷団地(横浜市神奈川区六角橋、建て替え、22年度竣工予定)▽弁天通3―2(横浜市中区弁天通、建て替え、23年度竣工予定)―各物件。
このうち、横浜井土ケ谷共同ビルの既存規模は鉄骨鉄筋コンクリート造13階建て161戸。1971年11月に建築した。今後、建て替えに向けた基本計画を策定する方針だ。栗田谷については地質調査を進めることになっている。
賃貸住宅約106戸を建設する不動が丘団地8・9号棟跡地は大成ユーレック、賃貸住宅96戸など整備する弁天通3丁目第2共同ビルは鹿島横浜支店・梓設計横浜事務所が事業者に決まっている。
建て替えを行わない団地については、建物の長寿命化や、断熱性能の向上などに努める。計画的に経年修繕工事を実施して賃貸資産の機能維持・向上を図るとともに、設備のグレードアップやリノベーションによる商品価値向上を目的とする募集促進工事の取り組みを本格化させる。
計画ではこの他、一般賃貸住宅の耐震化率93・2%(18年度末)を20年度内に95%以上へ高めるとしている。
提供:建通新聞社