富山県の第1回新幹線延伸戦略検討委員会が19日、富山市の県民会館で開かれ、20年2月に新幹線延伸戦略(仮称)を策定する方針が示された。
22年度末に予定されている北陸新幹線の敦賀開業、さらには大阪までの延伸を展望し、産業・観光振興をはじめとした新幹線延伸の効果を最大限に引き出すための新たな戦略を取りまとめる。冒頭、石井隆一知事が「開業効果の勢いを持続させ、さらなる飛躍・発展につなげていく。敦賀開業で大阪まで2時間半となり、県内3駅が通過駅にならないようにしなければならない。産業振興や観光振興、移住・定住の促進などに向け、県や市町村、民間の官民を挙げた取り組みを進めていきたい」とあいさつ。各団体代表、有識者ら委員39人で構成し、委員長に高木繁雄県商工会議所連合会長が就任した。
引き続き、事務局側が新幹線の開業効果、敦賀・大阪への延伸について説明。戦略検討の方向(たたき台)では、▽魅力あるまちづくり・地域づくり▽ものづくり産業の拠点化▽選ばれ続ける観光地づくり▽交流人口の拡大、移住・定住の促進―の4つの基本戦略を提示。具体的な施策の検討例として魅力的な企業立地環境の整備、本社機能・研究開発拠点の誘致、広域観光の推進、富山のブランド力アップなどを盛り込んだ。
今後は新幹線延伸に関する県民意識調査、首都圏・関西圏住民に対する意識調査、有識者アンケート調査、経済波及効果調査を行う。20年2月の第3回会合で戦略をまとめ、3月に公表する。