県健康福祉部は20日、「千葉リハビリテーションセンター施設整備検討会議」(議長=渡辺真俊・県健康福祉部保健医療担当部長)の第4回を開催した。会議では、新センターの整備に向けた基本的な考え方や基本方針として検討すべき事項を整理するとともに、建て替え配置案が示され、建物形状などについて検討を進めた。建物配置案では、外来診療棟について、1フロアの面積を拡大した7階建てとする低層案が提示された。
渡辺議長は「本年5月に隣接の袖ケ浦特別支援学校との連携の重要性等を踏まえ、現センター敷地を建設場所として決定した」と報告し、「少子高齢化や人口減少が進展する中で、県民からのニーズに応えるとともに、運営の安定化が図られるよう基本計画をまとめていきたい」とあいさつした。
建物形状については、第2回会議で、外来診療棟を地下1階地上13階建て延べ約2万8000u、居住棟を6階建て延べ約1万1000uとする案が提示されたが、同案では、外来診療棟の1フロア面積が最大で約2500uとなり、現センターの本館棟と中央棟の1フロア合計面積(約4100u)より狭くなるため、今回は1フロアの面積を広げ、低層とする配置案が示された。
低層案は、居住棟については6階建てで変更はないが、外来診療棟を7階建て延べ約2万7600uとした。フロア面積は3階までを約3800u、4階から7階を約3100uと想定。ただし、フロア面積を現センターと同程度とする場合には建設用地を拡大する必要が生じる。
委員からは「エレベーターの待ち時間が長くなる高層は障害者になじまない」など、低層を支持する意見が多かった。
一方、新センターに向けた基本的な考え方については▽県全体のリハビリテーション水準の向上を図るという視点で再整備に取り組む▽県内における重症心身障害児・者等の待機者減少に向けた取り組みや地域医療構想による病床配分を考慮した整備を行う▽収支の均衡を目指しながら効果的・効率的なサービス提供に努める――ことなどを挙げた。その上で、検討すべき課題として▽各ライフステージに沿った包括的な総合リハビリテーションセンター機能の充実▽高度専門的なリハビリテーション医療の提供▽在宅復帰への支援強化▽障害のある人に対する就労支援・定着支援の機能の強化▽障害のある子どもの療育拠点としての機能強化▽災害発生時における支援機能の強化▽利用者や職員に配慮した施設整備▽持続可能なセンターの運営――の8項目に整理し、検討を進めた。
県は今後、11月ごろまでに基本計画原案をまとめ、12月ごろにパブリックコメントを実施し、来年2月までに基本計画をまとめる方針。
基礎調査による全体の事業スケジュールは、本年度に基本計画を策定し、2020〜22年度には基本・実施設計を行い、23〜28年度の6か年で建設、28年度内の開設を目指す。1期工事で公園部分に外来診療棟を建設し、現本館棟、中央棟、更生棟の機能を移転。その後の2期工事で本館棟、中央棟の解体跡地に居住棟を整備する計画。
基本計画の策定業務はシステム環境研究所が担当している。