鳥取沿岸の砂浜保全に関する技術検討会(座長・黒岩正光鳥大院工学研究科教授)が1日、立ち上がった。侵食被害から沿岸を守ろうと、技術的な指針に基づいた砂浜の維持管理方法を検討し「海岸保全長寿命化計画」を策定する。
鳥取沿岸をめぐっては、02年に「海岸保全基本計画」、05年に「土砂管理ガイドライン」をそれぞれ策定。海岸部で年2回の汀線測量などのモニタリングや、サンドリサイクルなどの取り組みを実践している。
しかし、砂浜そのものの保全対策については具体的な管理方法が示されていない。99年の「海岸法改正」では、砂浜を海岸保全施設に指定できると規定。県も今後、鳥取沿岸の砂浜を海岸保全施設に指定するにあたって、県独自の指定区域方針や維持管理手法について技術的な助言を技術検討会に求める。
検討会は有識者をはじめ、県土整備部、国交省の行政機関から19人で構成。初会合では、砂浜保全の指定制度、長寿命化計画の策定に向けた検討課題を確認。メンバーからは、維持管理に必要な健全度評価を指定管理する砂浜ごとに区分すべきではないかといった意見が出された。
次回以降の会合では継続して検討課題を討議。砂浜の指定区域についても重点的に意見交換し、年度末までに定期点検などの維持管理方法を盛り込んだ長寿命化計画をまとめる。検討会の黒岩座長は「全国に先駆けた取り組みで、成果を全国展開できるものにしたい」と語った。
日刊建設工業新聞