トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

滋賀産業新聞
2019/08/21

【滋賀】県大津・南部農業農村 雄琴・上仰木地域の地すべり防止施設長寿命化

 県大津・南部農業農村振興事務所田園振興課は、地すべりが発生する危険が極めて高い「雄琴・上仰木地域」の地すべり防止施設について、長寿命化計画を策定する。経年変化による集水井の腐食や集排水管の閉塞など機能低下に対応するもので、今年度内に計画的な施設機能の回復、維持・向上を図る方策を検討、中長期的な取り組みをまとめ、来年度から2029年度までの10年間で安全・安心を確保する施策(工事)を実施していく。
 雄琴・上仰木地域は、大津市のほぼ中央、比叡山の麓に位置し、地すべり等防止法により農林水産省所管の地すべり防止区域に雄琴が1960年に、また上仰木が1964年にそれぞれ指定されている。両地域は地質が脆弱で地下水位が高いことから、地下水および地表水のすみやかな排除と局所的な崩壊やその恐れがある箇所には、抑止杭、擁壁、法枠等により、地盤・法面を安定させ、地すべり区域の保全が順次行われ、現在は2012年度から今年度末までの8ヵ年計画で緊急度の高い箇所から地すべりブロックの防止工事が進められている。
 今回の長寿命化は、地すべりの要因となる地下水、地表水等の排除を目的とする抑制工(水抜きボーリング工、集水井工、押え盛土工等)と地すべりの活動を直接的に抑止することを目的とする抑止工(抑止杭工、シャフト工、アンカー工等)―などの構造物が対象。
 長寿命化の検討は、@対象施設の状況(施設の位置、緒元など)把握、A対象施設の機能診断(健全度判定、斜面変状の有無など)、B地すべり防止区域の立地特性の整理(地すべりブロック区分、保全対象の位置など)、C対策工法及び管理方法等の検討、D対策時期の検討―の順で進める。
 策定のスケジュールは、今月から長寿命化対策方針について検討をスタート。12月に方針決定と長寿命化計画案策定、来年3月までに、これを計画として最終的に取りまとめる予定。
 なお、同地域の調査・解析業務はキタイ設計(近江八幡市)が担当している。

提供:滋賀産業新聞