東京都都市整備局は「多摩ニュータウン地域再生ガイドライン」に基づく具体的なまちづくりとして、団地の建て替えに伴う創出用地や公有地を活用したモデルの検討作業を東京建設コンサルタント(豊島区)で、一定区域での都市機能の再配置に関する検討作業を総合環境計画(江東区)でそれぞれ開始した。民間事業者との連携を視野に、都や地元市による事業の実現方策や枠組みなどを具体化していく。
都が策定した多摩ニュータウン地域再生ガイドラインでは、居住者やまちの高齢化が進む多摩ニュータウンを再生するための都の取り組みなどを提示。住宅や生活基盤などのストックを時代に合わせてリニューアルするとともに、大規模な低未利用地などを有効に活用してまちづくりを進める方針を打ち出している。
このうち住宅や生活基盤といったストックのリニューアルでは、公有地を活用した土地交換などにより都市機能を再配置する他、公的賃貸住宅団地の建て替え・改修などと並行し、創出用地を活用して介護・子育て・医療などの施設を配置することを想定している。
この方針を踏まえ、団地建て替えに伴う創出用地や公有地の活用について、約100fの対象地区をモデルとして設定した上で、拠点の形成や都市施設の再整備などの標準的な方策を取りまとめ、地元市などによるまちづくりを支援する。
今回、東京建設コンサルタントに委託した業務を通じて、モデルとして設定する地区とその周辺で、商業・業務・生活支援などの拠点の形成や再生について複数の案を検討。併せて利便・交通施設の再整備や幹線道路沿道の活用、緑地創出といった標準的な連携方策も考える。
これらの検討結果を基に、それぞれの取り組みの主体や関係者の役割分担、標準的なスケジュール、合意形成の方法などを整理。さらに、先行的に事業着手する箇所や、その後の展開の順序などもまとめていく。
また、地元市などによる具体的な取り組みにつなげるため、都市機能の再配置に関する基本的な考え方も検討する。
総合環境計画で進める検討作業では、一定の区域を選定し、その地区にある生活支援や商業をはじめとする都市機能の種類や分布状況、公共施設・主要建築物の整備時期などを確認した上で、団地の建て替えや商業・交通機能などの再整備に関するまちづくりの動向を整理する。
これを基に、都市機能再配置の在るべき姿や将来イメージの標準的な案を検討するとともに、地元市をはじめとするまちづくりの主体が取り組む方策を整理。都市機能再配置の合意形成と事業着手・推進に向けた各主体の標準的な役割分担、検討・調整体制なども併せて考える。
提供:建通新聞社