神奈川県県土整備局は、簡易公募型プロポーザルを進めていた「県営住宅建替えにおける民間活力の導入可能性調査業務」の委託先として、地域計画建築研究所(京都市下京区)を特定した。上溝団地と追浜第一団地を対象に、事業スキームの検討などを2020年2月28日まで行ってもらう。
プロポーザルにはランドブレイン、地域計画建築研究所、地域経済研究所、長大の4者が参加。地域計画建築研究所の提案については、▽事業スキームに関する留意点、リスク分担、客観性の高いVFM算定プロセス▽PPP/PFI事業へ地元企業が参加しやすい勉強会実施▽WTOを考慮した地元企業が参画しやすい手法の検討考察―を特に評価した。
委託調査は、上溝(相模原市中央区光が丘3ノ1他、既存規模・鉄筋コンクリート造2階建て143棟992戸)と追浜第一(横須賀市追浜本町1ノ119、同・鉄筋コンクリート造4階建て6棟176戸)の両団地の従前敷地での建て替え、入居者移転支援、余剰地活用を事業範囲として、民間活力の導入可能性調査を行うもの。
具体的な業務内容として、基本計画の作成、社会福祉施設などの誘致に関する検討、余剰地の活用に関する検討、整備スケジュールの検討、概算事業費の算定、事業スキームの検討 、事業範囲の検討、官民のリスク分担の検討、VFMの検証などを挙げている。
現段階で想定する規模は、上溝団地が鉄筋コンクリート造または鉄骨造3階建ての住棟で構成する1000戸程度。延べ床面積は約5万平方b。一方、追浜第一団地は鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造4〜5階建てで130戸程度。近隣の団地(管理戸数約100戸)を集約する予定。延べ床面積は6500平方b程度。
県営住宅で、今後建て替え時期を迎えるのは2万8000戸程度。法定耐用年限までに建て替えを終えるには年間900戸程度のペース(従来は100戸程度)で進める必要がある。
このため、県は建て替え事業を迅速に進める選択肢の一つとして、PFI的手法の活用を考えている。
提供:建通新聞社